2014 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカの理科と数学における関数的考え方の文脈依存性改善に関する実証的研究
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14J06023
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高阪 将人 広島大学, 国際協力研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 理科と数学の関連性 / 文脈依存性 / 理数科教育協力 / ザンビア共和国 / 国際情報交換 |
Outline of Annual Research Achievements |
TICADを踏まえた安倍イニシアティブでは,アフリカの成長を担う人材育成が注目されており,理数科教育が果たす役割は大きい.本研究では,ザンビア中等教育における理科と数学における関数的考え方の違いによる文脈依存性を乗り越えるための授業を開発し,両教科の学力の向上を目指す.申請者は,ザンビアの生徒が,理科と数学における出題の文脈の違いによって異なった解答をし,一方の文脈でのみ正答すること(文脈依存性)を明らかにした.さらにその要因として(1)両教科で指導される公式の違い,(2)両教科での関数的考え方の違いを突き止めた.これまでの研究から要因(1)に対する指導法は知られているが,要因(2)に対する指導法は依然報告されていない. 今年度は関数的考え方における文脈依存性を乗り越えるための授業を開発する上での基盤となる,理科と数学の関連付けの理論的考察と生徒の実態把握を行った.科学哲学者ポパーの3世界理論と客観的知識の成長過程を手掛かりとした科学と数学の特徴として,科学では思考(世界2)を介した世界1と世界3の相互作用によって,より洗練された暫定的理論(世界3)と問題(世界1)が生み出され,他方数学においては,思考(世界2)を介した世界3内での相互作用によって,より洗練された暫定的理論(世界3)と問題(世界3)が生み出されていくことが明らかとなった.さらに,関数領域に焦点を当てた理科と数学の特徴として,理科では関数の内容や考え方を用いる対象として,物理的対象の世界(世界1)が重視されており,数学ではその対象として客観的知識の世界(世界3)が重視されていることが浮かび上がった.ザンビアの生徒の実態把握として,達成度と概念のつながりと文脈依存性の調査を実施した.その結果,両教科の関連付けを促進するために,概念を形成するための指導の工夫と共通性を見出す働きかけが必要なことが浮き彫りとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ザンビア共和国における現地調査において、学校が突然休みになったり、生徒が退学になったり等、予期せぬ事態に直面し、計画以上に時間がかかってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
初期の計画通り、教材開発を進めると共に、個別探究及び他者との協同を通した授業実践とその効果を測定する。
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Research Products
(7 results)