2015 Fiscal Year Annual Research Report
環境アレルゲンのオンサイトモニタリングを目的とした蛍光免疫計測システム
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14J06141
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮島 久美子 東京工業大学, 総合理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | アレルゲン / 光ファイバ / 免疫計測 / 磁性カプセル / FePt |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、住環境中に存在する浮遊アレルゲンを対象とした新規な免疫計測システムの開発である。平成27年度は、連続的な免疫学的計測を実施するため、26年度までに作製した磁気微粒子(磁性カプセル粒子)への捕捉抗体の固定化方法の最適化、及び、磁気微粒子を用いた計測技術について知識・経験を深め本研究課題に応用するため、海外渡航制度を利用し、磁気微粒子と光学アレイを利用した計測システムの操作並びにバイオマーカー検出法に関する技術習得に注力した。まず、磁性カプセル粒子への捕捉抗体の固定化方法の最適化では、固定化方法として、粒子表面にカルボキシル基を発現させる方法、及び粒子表面に金ナノ粒子(AuNP)を結合させる方法について検討した。TEM像観察や組成分析の結果、それぞれの方法により磁性カプセル粒子表面に官能基やAuNPが結合していることが確認された。そこでそれぞれのカプセル粒子を用いて捕捉抗体の固定化を行い、免疫計測に供したところ、バックグラウンド値が高く、測定対象の検出が困難であり、固定化方法の改善の必要性が示唆された。次に、磁気微粒子と光学アレイを利用した計測システムについては、米国タフツ大学の研究室にて技術研修を行った。さらに、習得した技術を利用し、造血幹細胞移植後の移植片対宿主病の発症を予測するための血清バイオマーカーについて測定法の構築を行った。現在までに、6つのバイオマーカー候補のうち2つについて測定法が確立され、今後残りのマーカーについても順次構築を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
磁性カプセル粒子への捕捉抗体固定化法については、さらなる検討が必要であるものの、抗体固定化の前段階である官能基や金ナノ粒子による表面被覆に成功していることから、順調に進展していると考えている。また、今年度は特に米国で研究活動を行い、磁気微粒子と光学アレイを利用した計測システムについて理解を深め操作技術を習得に注力した。当初計画通り、該当技術の習得を行い、磁気微粒子を用いた計測法やその応用展開について新たな知見が得られた。以上のことから、今研究課題はおおむね予定通り研究が進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
残りの米国滞在期間中は、引き続き血清バイオマーカー検出法の確立に取り組み、患者血清の測定、さらに同一サンプルによる同時多抗原検出へ展開する予定である。帰国後は、米国での経験を活かし、浮遊アレルゲンの連続的な免疫計測法について検討を進める。具体的には、磁性カプセル粒子への捕捉抗体固定化方法を確立し、さらに、光ファイバ型センサの感応部において、磁性カプセル粒子を捕捉抗体担体とし、免疫計測を繰り返し行うため、磁気によるカプセル粒子のセンサ感応部への着脱制御方法について検討する。
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Research Products
(16 results)