2015 Fiscal Year Annual Research Report
人口減少社会における女性の職種継続性の現状とセーフティ・ネットに関する分析
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14J06472
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
野崎 華世 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 講師
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 経済政策 / 職種 / 女性労働 / 労働経済学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、人口減少社会における女性の継続就業と職種に関する実証分析を行い、職種別の女性労働力の活用並びに職種から見た少子化対策への政策的インプリケーションを導くことである。平成27年度は、特に育児を理由に退職した有配偶女性の再就職と産業および職種経験の関係に関して、より詳細なデータを用いて分析を行った。分析の結果得られた知見は、以下の3点である。第一に、離職前の職種が、専門的・技術的職業従事者である場合に再就職しやすい傾向にあるが、中でも医療業、社会福祉で働く看護師、社会福祉専門職従事者など医療関係の仕事に就いていた人ほど再就職しやすいことが分かった。第二に、同一職業内での再就職に関しても、看護師などの専門的・技術的職業従事者が同一職種で働きやすいことが分かった。産業では、卸売・小売業、飲食店やサービス業ほど同一産業で働いていることが分かった。第三に、再就職後の不本意就業に関しては、再就職前と同じ職種に就いている場合、不本意就労となりにくい傾向を示した。中でも、看護師などの専門的・技術的職業従事者で不本意就労になりにくい傾向があった。さらに、産業でも離職前と同じ産業であるほど、不本意就業となりにくいことが分かった。以上のことより、離職前に看護師や保健医療従事者などの専門的・技術的職業従事者であった場合は、同一産業、職種に再就職することが多く、これらの女性の職業経歴の中で培ってきた人的資本の蓄積は、再就職において活かされていると言える。しかし一方で、このような特定の仕事以外に就いていた女性の場合は、離職前の職業経験が活かされている可能性は低く、今後、女性労働力の活用にあたって、これらの人的資本の損失を少なくするような制度の整備が求められる。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)