2015 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチにおける破骨細胞の炎症性変化に関する研究-骨破壊の制御を目指して-
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14J06672
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野間 成人 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / 破骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
関節リウマチにおける破骨細胞の分化を制御する因子の探索を行った。1年目の研究で見出すことに成功しており、破骨細胞分化過程において活性化しているNF-κB構成因子について、関連性の高い因子についてピックアップし、siRNAを用いたノックダウン実験を行った。6-7週齢C57BL/6 マウスより骨髄を採取し、10 ng/ml M-CSF下で2日間培養することで骨髄由来マクロファージ(BMM)を得る。続いて、種々のsiRNAをトランスフェクトしたBMMを50 ng/ml RANKLで3-4日間培養することで破骨細胞へと分化させ、TRAP染色、qPCRによる破骨細胞分化マーカーの発現解析を行うことで、RNAiにより種々のタンパク質をノックダウンした際の破骨細胞分化を検討することで、破骨細胞分化に影響するタンパク質の同定を行う。ノックダウン効率の確認にはRT‐PCR法を用いた。破骨細胞分化誘導刺激後、TRAP染色にて破骨細胞を染色すると、ある因子のノックダウンにより、破骨細胞数が減少することがわかった。さらに、同定した因子の阻害剤を添加することで、破骨細胞分化が抑制され、破骨細胞の分化や機能に関わる分子の発現が抑制されることをRT‐PCR法により見出した。次に破骨細胞分化を誘導する刺激を加えた時のその因子の発現をRT‐PCR法およびImmunoblot法により調べた。破骨細胞分化を誘導するサイトカインを添加しても発現量には影響を与えなかった。しかし、破骨細胞分化を誘導する刺激を加えると、その因子の短時間での活性化が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
関節リウマチ等の炎症性骨疾患における骨破壊に関わるタンパク質を見出すことに成功し、昨年度に引き続き、同定したタンパク質の病態への関わりを調べている。さらに、そのタンパク質の機能解析について自ら積極的に実験計画を提案する姿勢を見せており、詳細な機構を見出すことに成功している。 これらの成果をまとめ、学術論文投稿の準備をしており、新奇性の高い成果を挙げることが予想されることや、研究を着実に進行させていることから、今後のさらなる成果が期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、同定した因子が破骨細胞分化に関わることをさらに詳細に調べるため、ゲノム編集により、同定した因子のノックアウトES細胞を作製し、ES細胞から破骨細胞を誘導することで、関節リウマチにおける破骨細胞分化に関与するか否か、検討を行うとともに、同定した因子がいかにして破骨細胞分化を制御しているのか、についてさらに詳細な解析を行っていく予定である。
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