2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14J06678
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹内 裕貴 東京大学, 情報理工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 非整数階微積分 / 差分法 / 非整数階微分方程式 / 有限差分法 / 予測子修正子法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年は主に二つの課題について研究を行った。一つは非整数階常微分方程式に対する高精度陽解法についてである。既存の陽解法として、K. Diethelmらによって予測子修正子法が提案されていた。この既存手法は高々2次精度と精度が低く、安定性は詳細な解析がなされていなかった。これに対し、本研究では3次精度の予測子修正子法を提案し安定性解析を行った。提案手法は自身の過去の研究で開発した3次精度の差分式を応用させ、既存の手法よりも精度の高い数値解を得ることが可能となった。しかし、安定性が既存手法よりも低く、非整数階微分は現在の値の計算において過去の情報を全て用いるという性質から、完全な安定性解析を行うことが困難であった。 もう一つの研究課題として非整数階偏微分方程式に対する高精度有限差分法の開発を行った。既存の有限差分法として、M.M. Meerschaertらによって一次精度の有限差分法が提案されていた。この既存手法は一次精度と精度が低く、また、境界条件がゼロディリクレ条件の場合のみに適用可能であった。これに対し、本研究では2次精度であり、より広い範囲の微分の階数にも対応でき、境界条件が非ゼロディリクレ条件の場合にも適用可能な有限差分法を提案した。本手法は自身の過去の研究で得られた二次精度差分式を応用させ、また、安定性を高めるためスキームの中にあるパラメータを含んでおり、微分の階数によってパラメータの値を変えることで既存手法よりも高い安定性を実現している。 また、同時に解析解の形によっては数値解の精度が期待していた精度だけ得られない現象を確認した。これは非整数階微積分では微分不可能な点を含む関数まで考慮する必要性を示唆している。本研究では解析解の形によって数値解の精度がどの程度低下するか実験的に示した。今後の課題として、ディリクレ条件以外の境界条件にも対応させたいと考えている。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(2 results)