2015 Fiscal Year Annual Research Report
逆コンプトン散乱によるILCのための高強度偏極陽電子源の開発
Project/Area Number |
14J06701
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
上杉 祐貴 広島大学, 先端物質科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 光共振器 / レーザー / レーザー蓄積 / レーザーコンプトン散乱 / ファイバーレーザー |
Outline of Annual Research Achievements |
光蓄積共振器の共鳴制御を原理的に必要としない新しいレーザー蓄積システム「自発共鳴型光蓄積共振器」の開発を行った。出力330 mWのLDで励起したYb添加ファイバーを用いてレーザー増幅器を構築し、長さ208 mmの筐体に反射率99.999515±0.000002%の鏡を取り付け、フィネス646,000±3,000の光共振器を構築した。これらを用いて自発共鳴型光共振器を構築した結果、蓄積増大率187,000±1,000倍、蓄積強度2.52±0.01 kW、強度揺らぎ1.7 %でレーザー光の蓄積を達成した。これまでに我々が達成した蓄積増大率は1,280倍であり、2桁以上の性能向上を達成したことになる。 レーザー光を蓄積している状態で共振器のフィネスを測定したところ、自己共鳴状態の揺らぎなどの性能を含んだ実効的なフィネスの値として394,000±10,000を得た。このフィネスの光共振器を1.7 %の強度揺らぎで安定化するためには、共振器長に換算して160 fmの制御精度が必要である。この制御精度は従来のフィードバック制御方式では達成困難な値であり、自発共鳴型共振器の有用性を示している。またレーザー光の蓄積および光共振器の共鳴の維持は2時間以上にわたって安定しており、故意に大きな外乱を与えて共鳴状態を崩しても、その後すぐにレーザー光の蓄積が復帰するなど非常に安定なシステムであった。これは、従来のフィードバック制御系を用いる方式が空調の変化や筐体の温度ドリフトで容易に破綻するのに比べると、際立った安定度である。 現在、レーザー発振のモード同期パルス化の試験も並行して進めている。これにより安定なピコ秒パルスレーザー光の蓄積が達成できれば、高フィネスの光共振器を用いて大強度蓄積の試験を行い、その後、高エネルギー加速器研究機構のATF加速器に組み込んでガンマ線生成実験を行う予定である。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Demonstration of the stabilization technique for nonplanar optical resonant cavities utilizing polarization2015
Author(s)
T. Akagi, S. Araki, Y. Funahashi, Y. Honda, S. Miyoshi, T. Okugi, T. Omori, H. Shimizu, K. Sakaue, T. Takahashi, R. Tanaka, N. Terunuma, Y. Uesugi, J. Urakawa, M. Washio, and H. Yoshitama
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Journal Title
REVIEW OF SCIENTIFIC INSTRUMENTS
Volume: 86
Pages: 043303
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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