2014 Fiscal Year Annual Research Report
セルフアセスメント・マネジメントに基づくがんサバイバーリハビリテーションの開発
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14J06751
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
華井 明子 京都大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | がんサバイバー / 末梢神経障害 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
がんの治療成績の向上と予後延長により,がん患者は一般社会でがんと共生する「がんサバイバー」と位置づけられ,注目されるようになった.そのため,良好な健康状態を長期間保つことを目標としたケアががん治療と同等に重要視されており,とりわけ自身の生活を通して健康を維持するセルフアセスメント・マネジメントが注目を集めている.そこで本課題においては,「がんサバイバーの健康を支えるセルフアセスメント・マネジメントは何か」解明することを目的とした研究を遂行している. はじめに,システマティックレビューによりがん治療中のリハビリテーション介入が認知機能の維持改善に寄与していることが分かったため,国際学会において発表した. また,乳癌により抗癌剤治療を受けることとなった30名を対象に運動を中心としたセルフマネジメントの指導が便秘予防に寄与するかを調べるため,「乳癌化学療法に伴う便秘に対する予防介入による効果」について臨床研究(ランダム化比較試験)を実施しデータを得た.科学データの信頼性が問われる事件等の影響で,厳しいデータ管理とチェック機構を設ける必要が生じたため,データのチェックを外部委託し,改竄や不自然なデータがないことを確認した上で,現在国際学会発表と論文投稿を予定している. さらに,がんサバイバーにとってがん化学療法後のしびれ(末梢神経障害)が睡眠・疲労をはじめ生活の質全般に影響を及ぼしており,予防・治療法が確立できていないことが大きな問題として指摘されている現状を踏まえ,末梢神経障害予防の研究を立ち上げた. 点滴中に冷却グローブ・ソックスを用い手足を冷却することにより化学療法に伴う末梢神経を予防できるという仮説のもと,現在介入と評価を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
がんサバイバーの支援につながる臨床試験を遂行しており,また研究成果について論文執筆・国際学会発表を実施しているため,おおむね順調に進展していると判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
新たな研究計画と満たすべきニーズを検討するために,論文検索と複数のがんサバイバーへの聞き取り調査を行ったところ,認知機能低下よりも若年者サバイバーのメンタルヘルスに関して対処が少ない状況があり,支援ツールの研究・開発が望まれていることが分かった. そこで末梢神経障害の研究を完了し結果を公表・論文として投稿するとともに「がんサバイバーのメンタルヘルスに関するセルフアセスメントマネジメントツールの開発」を目的に,ウェブ上でメンタルヘルスをアセスメント・マネジメントできるアプリケーションを作成し,電子アンケート形式でデータを収集することを計画中である.
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Research Products
(4 results)