2014 Fiscal Year Annual Research Report
沈み込み帯で発生する超巨大地震の広帯域震源モデルの構築
Project/Area Number |
14J06763
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
久保 久彦 京都大学, 防災研究所, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 広帯域震源モデル / 2011年東北地方太平洋沖地震 / 2011年茨城県沖地震 / 強震波形記録 / 三次元グリーン関数 / フルベイジアン推定法 / マルチタイムウィンドウ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、海溝型超巨大地震である2011年東北地方太平洋沖地震(以下、2011年東北地震)を対象とし、広帯域地震動生成の観点からその広帯域震源モデルを構築することで、2011年東北地震の震源特性を解明し、海溝型超巨大地震の震源物理を理解することを目的としている。ここでの広帯域震源モデルの構築方法は、連続的に異なる複数の周期帯域の強震波形記録及び三次元グリーン関数を用いて、それらの周期帯域における時空間すべりモデルを構築するというものである。三次元グリーン関数生成に用いた三次元地下速度構造モデルの妥当性に関しては, 震源域でおきたM6クラスの地震の実地震記録を再現することによって検証を行った。波形記録を用いた時空間すべり分布の推定で使われるマルチタイムウィンドウ法による震源過程解析にフルベイジアン推定法を組み合わせた震源過程解析手法を新たに開発し、周期別の時空間すべりモデルの推定に用いた。この広帯域震源モデルの構築手法を2011年東北地震に適用した結果、同地震の地震波放射特性は長周期地震波と短周期地震波の生成領域が主として深さ方向で棲み分けているという先行研究で指摘されてきた単純なものではなく、宮城県沖深部からは長周期地震波も含む幅広い周期帯の地震波が生成されていたことが明らかになった。また、宮城県沖深部における二度の破壊では励起地震波の卓越周期に違いが見られ, それぞれの破壊領域の違いを考えると、この卓越周期の違いは階層型アスペリティの破壊によって引き起こされている可能性があることが分かった。加えて、本震周辺で発生した大地震の一つである2011年茨城県沖地震に関しても同様の手法で解析を行ったところ、同地震の地震波放射特性も周期依存性を有しているということを明らかにした。これらの成果について取りまとめたものを国内外の学会で発表した。
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Research Progress Status |
本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。
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Research Products
(4 results)