2015 Fiscal Year Annual Research Report
乳児における投射影(cast shadow)知覚の実験的検討
Project/Area Number |
14J06887
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
佐藤 夏月 中央大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
|
Keywords | 乳児 / 知覚発達 / cast shadow / shading / 影 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は乳児を対象に2つの影知覚を検討する実験について、データ取得を完了・継続中である。 1.shading, cast shadwと呼ばれる2種の影を、3次元形状を知覚するための手がかりとして用いることができるか検討する実験について、研究成果をまとめた論文が査読付き学術論文であるAttention, Perception & Psychophisics誌に掲載が決定した。また国内の研究会にて発表を行った。 2.ヒトは物体が影を通過する際、物体表面の反射率が変化したのではなく、他の物体が照明を遮ったことにより物体表面の明るさが減少したという前提から、物体表面の明るさを知覚する。本研究では、影を通過する物体表面の明るさ変化を、乳児も成人同様に知覚するか検討した。実験では影の中で明るさが不自然に変化する不自然条件と自然に変化する条件とを提示し、不自然条件を選好するか検討した。本実験のデータを取得完了し、実験の結果をAPCV2015および日本視覚学会2015夏大会と冬大会にて発表した。 3.背景が2種の誘導図形の中間の輝度となるとき、透明な主観的な面が知覚できる事が示されている。更に、背景を誘導図形より明るくしコントラスト極性を崩すと、面が知覚されないことを示した。実験ではこれらの現象を5-8ヶ月児が知覚できるか検討した。現在データ取得中であるが、中間報告を日本基礎心理学会にて発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画より早く、研究成果を査読付き英文学術誌に受理された。計画1・2年目の実験はス伝い修了し、現在次の論文を執筆中である。更に研究成果を発表した研究会において優秀発表賞を受賞した。また当初の計画になかった新たな実験計画についても立案し、データ取得を開始している点から、当初の計画委以上の進展がみられたといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
計画3年目の実験を遂行し、既に得られた研究成果の公刊といった活動に重点を置いて研究を行うことを予定している。特に現在投稿中の論文の査読・修正作業を完了し、現在実施している実験の論文執筆作業を完了することを目指す。具体的には、現在実施している乳児は影を周囲より暗い領域と知覚するか検討する実験のコントロール実験を終了し、乳児が成人と同様に、影内では物体表面は物体表面が暗くなるという前提から物体表面の明るさを知覚するか、明らかにする。また、コントラスト極性が主観的輪郭知覚に影響する現象について、乳児を対象に検討を行う。更に、得られた研究成果については、国内額の学会に於いて発表を行うことを予定している。
|
Research Products
(6 results)