2015 Fiscal Year Annual Research Report
個体拡散モデルに関係する非線形拡散方程式の自由境界問題の可解性と解の漸近挙動
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14J07046
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
兼子 裕大 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 自由境界問題 / 反応拡散方程式 / 可解性 / 漸近挙動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、数理生態学に現れる個体拡散を記述する非線形拡散方程式の自由境界問題について、数学理論を構築し、現象理解に役立てることである。具体的には、1.自由境界問題の可解性、2.解の漸近挙動、3.コンピュータシミュレーションの作成を目的としている. 目的1に対して、本年度は自由境界問題の弱解と通常の意味の解(古典解)の関係性について研究した。まず、領域に球対称性を仮定した場合には、十分な時間が経過して特異点が解消されたとき、弱解は解の正則性(微分の連続性)を回復し、古典解になることが確かめられた。さらに、この結果は、より広く一般的な領域においても成立するという推測を得た。 目的2に対して、本年度は円環領域における自由境界問題の解の漸近挙動について研究した。そこで、外側の自由境界が無限遠方まで進行するとき、内側の自由境界は有限時刻内で原点に到達し、特異点が発生することが証明された。目的1の成果により、特異点発生後の解の追跡が可能となり、時間無限大におけるSpreading(個体の拡散)とVanishing(個体の絶滅)の挙動が解明された。 目的3について、共同研究によりシミュレーションの作成に成功した。具体的には、2次元領域において、反応拡散系近似という手法を用いて自由境界問題を近似し、近似問題の解挙動を数値計算し、出力した。これによって、実際の現象に対して、生息領域の拡がる様子や個体数密度の分布変化を視覚的に理解できるようになった。 以上の成果について、第4回明治非線型セミナー(8月)、RIMS研究集会(10月)、第6回「移流と拡散の数理」(12月)、ALGORITMY2016(3月)など国内外において広く招待講演を行った。特にALGORITMY2016は数値計算に関する国際会議であり、これまでの研究成果について、十分に報告できたと考えている。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)