2014 Fiscal Year Annual Research Report
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14J07057
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
折田 龍馬 東京大学, 大学院数理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | モース理論 / 臨界点 / シンプレクティック多様体 / フレアーホモロジー / ラグランジアン / ハミルトニアン / ノビコフ理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目標は、ノビコフ・ボットホモロジー論の構築による、ノビコフ理論におけるトポロジーへの応用を用いた更なる応用の発見である。そこで本年度は、シンプレクティック・トポロジーへの応用を見込み、以下の2つの研究を行った。 1. 本年度の前半は、閉多様体の余接束へのexactな閉ラグランジアン埋め込みが存在するための障害理論を考察した。本研究に関して、これまでに幾つかの障害理論は知られていたため、今回はモース・ボットの状況、つまり作用汎関数の臨界点が多様体をなす状況で新たな障害理論が得られないかを考察した。しかし、新たな結果が見込めなかったため現在は停滞させている。 2. 本年度の後半は、閉シンプレクティック多様体内の非可縮なハミルトン周期軌道の存在問題について研究した。初期の段階では閉シンプレクティックカラビ・ヤウ多様体を対象としノビコフ理論を用い、シンプレクティックホモロジーの計算により非可縮なハミルトン周期軌道の存在が検知できないかを考察した。その過程で、Poźniakの定理の、ノビコフ・ボットホモロジーを用いた一般化の必要性を認識した。ここでPoźniakの定理とは、作用汎関数の値が、ある区間内にあるハミルトン周期軌道全体が連結なモース・ボット多様体であるとき、その特異ホモロジーと、その区間のフレアーホモロジーが同型になる、というものである。しかし一般化をするにあたって幾つかの困難を得たため、現在はノビコフ理論を用いない非球体状かつ非トーラス状な多様体に対象を絞り、考察を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画当初は漠然としていた応用先の一つを見定めたが、現段階では望んだ結果を得られていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在考えている状況への一般化をするにあたって得た幾つかの困難を克服するため、一先ずはノビコフ理論を用いない非球体状かつ非トーラス状な多様体に対象を絞り、考察を進める。
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Research Products
(1 results)