2014 Fiscal Year Annual Research Report
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14J07081
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
窪田 陽介 東京大学, 大学院数理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 指数定理 / スペクトル流 / 局所化 / KK理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
結合スペクトル流の応用において互いに交換する作用素の組をどのように発見するかというところが最大の問題であったが, KK理論を用いた抽象的な議論により, 族の指数が局所化していることが実は作用素のn組が交換するための必要十分条件を与えていることを証明した. また, スペクトル流が応用される対象として, 固体物理学におけるトポロジカル絶縁体の研究を行った. トポロジカル絶縁体の重要な性質であるバルク・エッジ対応は, 結晶(絶縁体)のハミルトニアンの内部(バルク)にある位相的なねじれが物質の端(エッジ)に局在化して超伝導体をなすという現象のことを指す. 系が周期的な場合にはこれはトーラスのK理論によって計算できるが, 一方で周期性がない場合に用いられる非可換幾何学を用いた定式化には時間反転対称性によるZ/2Zの捩れを検出できないなど技術的な問題が存在した. このような系にcoarse幾何学の概念を用いて新しい定式化を与えることで, 従来のものよりはるかに弱い仮定の下でバルク・エッジ対応が存在し, また対称性がある系についても同様の現象が起きうることを証明した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時には予想していなかった新しい発見や応用があったため, 当初の計画を修正してそちらの進展に力を入れている. 結果として研究計画に書かれている内容の一部は実現できなかったが, それを補う新しい成果を得た.
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの研究に用いた道具や手法が, 申請時には想定していなかった方向に多様な発展や応用を持つことがわかってきた. そこで計画を修正し, スペクトル流, 指数定理, KK理論を起点として幅広い視野で研究を行っていく. また, 当初の目標であった結合スペクトル流の一般化, 高階化についても研究を継続する.
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Research Products
(4 results)