2014 Fiscal Year Annual Research Report
速度依存型ダンパーを用いた多層制振構造物の確率論的耐震性能評価法の構築
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14J07166
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
姜 在道 名古屋大学, 環境学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 建築構造 / 制振システム / ダンパー |
Outline of Annual Research Achievements |
制振構造は,都市構造物の地震被害を軽減させる有効な手段の1つであるが,その普及には,適切な性能評価手法の確立が欠かせない。耐震性能水準を定量的に表現することにより,費用対効果が明確となり,建築基準法で定められた最低限の水準よりも高い耐震性能を有する建築物を建てることへの動機付けとなる。構造物に将来作用する地震動の大きさや構造物の応答等は不確定であり,この不確かさを確率・統計論によって合理的に取り扱う必要がなる。本研究は,制振構造物の性能設計を目指して,制振構造物の変形性能に基づく簡易応答評価法を構築し,その精度と適用性を検討すること,および,確率論的耐震性能評価法を構築することを目的とする。前述した目的を達成するため,以下について詳しく検討した。
(1)地震動特性に影響を与える震源の距離,地震規模,地盤条件のみならず,これまでほとんど考慮されていなかった位相特性や応答スペクトルの固有周期間の相関も考慮しながら多数の模擬地震動を作成する方法を提案し,その方法の妥当性を明らかにした。
(2)速度依存型ダンパーを用いた制振構造物の1質点系モデルを念頭に置いた変位依存型ダンパーを用いた制振構造物の等価弾塑性1質点系モデルの作成方法を提案した。将来の1質点系モデルの作成方法は静的Pushover解析の結果を用いているが,提案した方法は構造動力学の理論に基づいた等価弾塑性1質点系への置換方法であるため,速度依存型ダンパーを用いた制振構造物にも適用できる。さらに,提案した等価弾塑性1質点系モデルを用いた応答評価法を提案し,その評価誤差の統計的性質を把握した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画書に記載した内容に比べ、多少の研究内容の変更があったが、概ね計画書通りに進展しているため、区分(2)と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
現状では,変位依存型ダンパーを用いた制振構造物の等価弾塑性1質点系モデルへの置換方法を構造動力学の理論に基ついて構築した。今後はその置換方法を応用して速度依存型ダンパーを用いた制振構造物にの等価弾塑性1質点系モデルへの置換方法を提案し,その1質点系モデルを用いた制振構造物の変形性能に基づく簡易応答評価法を構築する。
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Research Products
(6 results)