2015 Fiscal Year Annual Research Report
デジタルファブリケーション技術を用いた弾性特性の設計・製作のための情報環境の構築
Project/Area Number |
14J07193
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大嶋 泰介 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
|
Keywords | デジタルファブリケーション / コンピュテーショナルデザイン / マテリアルサイエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
27年度は8月に26年度の研究成果をオランダのIASS(international association of shell and structure)にて登壇発表を行った。その後、その研究を基礎として、2次元弾性体のポアソン比を加味した弾性特性の設計・製作のための試行錯誤を行った。具体的に、”曲げによる外力であらかじめ定義された自由曲面にのみ変形しやすい弾性体を構造によって実現する”という目標を設定した。この目標を達成するアプローチとして、3つの変形モード(可展面、鞍型曲面,球面状曲面)にのみ変形し易い構造の開発を行った。 アプローチとして、固有値解析を用いて変形モードを調べると同時に、実際に3Dプリントによるプロトタイプ製作を行った。これまでの研究では、球面状にのみ変形する弾性体(面街変形の固有モードが球面で、その固有値のみが低い、即ち球面のみに変形し易い)というものは存在しなかったが、本年度は球面状のみに変形しやすい構造を発見することができた。また、可展面のみの変形モードをもつ構造も提案した。 今後はこれら3つの変形モードのみを持つ構造を組み合わせる事で、あらかじめ定義した自由曲面形状にのみ変形をする弾性体を構造によって設計・製作することを目指す。また、これを実現するために、あらかじめ定義された曲面の変形モードのみに変形し易い構造を求める最適化手法を開発することが来年度の課題である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平板のような材料を曲げて曲面に変形するためには、ポアソン比が負であるという自然界にはめずらしい性質をもつ物質が求められる。これまでの研究ではある特定の方向からの曲げに対してポアソン比が負の影響が出る材料は存在したが、どの方向かあらの曲げ力からも同様の性質を持つ材料は存在しなかった。このようなこれまでに内構造を前提としているために、必要とされる件を満たす構造を実験を元に発見することに時間がかかってしまった。今後は、今までに発見した構造を用いて、"あらかじめ設定した曲面のみに変形し易い性質を実現するような構造を最適化の手法で求める"という最終目標を実現するための数理およびシステムを構築する。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究目的はポアソン比を加味した2次元平面の弾性特性を設計・製作するための数理およびアルゴリズム の構築である。 研究目的を実現するために、変形させたい自由曲面を入力として、その形状のみに変形し易い性質を実現する 構造を出力するシステムを構築する。扱う形状は具体的にはパラメトリック曲面とする。入力された曲面のガウス曲率を解析し、その曲率分布を実現するような高小津を最適化の手法によって求める。 このシステムが実現することで、自由曲面をシステムに入力するだけで、簡単な曲げや圧縮力のみでねらった変形を起こす材料を三次元プリンタ等の汎用的な工作機械を用いて製作することができる。
|
Research Products
(1 results)