2014 Fiscal Year Annual Research Report
重力崩壊型超新星コアにおける流体および磁気流体力学的不安定性の研究
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14J07194
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
高橋 和也 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 重力崩壊型超新星爆発 / 定在降着衝撃波不安定性 / 流体不安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、当初の研究計画に則り、重力崩壊型超新星爆発におけるニュートリノ加熱メカニズムと関連した多次元の流体不安定性を研究した。特に、近年着目されている親星の非球対称性との関係性を調べるため、以下の2つの研究を行った。(1)親星が重力崩壊する際、シリコン・酸素層の核燃焼によって発達した対流に由来する擾乱が定在降着衝撃波に到達するまでに、どの程度成長するかを調べる研究。(2)Laplace変換を用いた手法による、定在降着衝撃波不安定性の線型解析。 (1)の研究では、従来の漸近解析の研究と異なり、有限半径にある定在衝撃波の位置における成長率を求めることができた。線型擾乱の成長率は球面調和関数の添字ellに比例し、小さいスケールの擾乱の方が発達しやすいこと、また、密度擾乱の成長率が最も大きく、振幅が10倍以上に成長することを示した。これら結果より、対流に由来する擾乱は衝撃波半径に到達するまでに十分成長するとの結論が得られた。本成果はThe Astrophysical Journalに掲載済である。 (2)の研究では、上流の非球対称非定常擾乱を取り入れた定式化を行い、これを線型化したものを時間に関してLaplace変換して固有値問題を解いた。結果、衝撃波上流の擾乱は定在降着衝撃波不安定性の不安定モードの成長率・振動数には影響しないことが明らかになった。また、本研究の手法によって従来発見を逃れていたモードを見つけることも可能となり、現在それらの不安定モードの物理的意味についてより詳細な解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通り2つの研究を行い、それぞれで成果を出せた。1つ目の研究成果は査読付論文誌に掲載済である。2つ目の研究では期待以上の結果が得られ、現在より詳細な解析を行っている。間もなく成果を論文誌に投稿できる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、定在降着衝撃波不安定性の解析研究を行っていく。 また、本研究で用いたLaplace変換を用いる手法は、他の流体不安定性に対しても有用であるとの見通しである。そのため、余力があればそちらの研究にも着手する。
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Research Products
(6 results)