2014 Fiscal Year Annual Research Report
帝国のアンザイエティ-1923年関東大震災後の人々と情報の移動に注目して
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14J07348
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
盧 珠ウン 東京大学, 情報学環・学際情報学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 関東大震災 / 朝鮮人虐殺 / 帝国 / 流言飛語 / 情報対応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本帝国を中心とする東アジアにおける震災後の人々と情報の移動を明らかにする研究である。そのため、日本・韓国・中国の資料が研究の基本になるのであるが、平成26年度は新しいアプローチをもって「そと(外)」からの視線に注目しようとした。特に情報移動の中で「流言飛語」というテーマに注目し、アメリカの関東大震災関係資料を収集しながら、以下のような研究活動を実施した。 1.アメリカの関東大震災関係資料や流言飛語研究資料を収集した。特に、イギリス帝国史における流言飛語や情報対応に関する英語圏の研究が多くなされているため、アメリカの大学図書館にある関係資料を集める研究調査を行った。さらに、最近はアメリカにおいても、関東大震災関係の研究成果が出始めたため、それらの資料も含めた調査活動を実施した。 2.アメリカの学会に参加、発表した。関東大震災を研究するアメリカの研究者たちとともに関東大震災をテーマにするパーネルに参加し、東アジアにおける関東大震災のもつ意味について考察する論文を発表した。また、研究関心を共有する海外研究者との研究交流活動を行うことができた。 3.史料分析のためのワークショップに参加した。本研究で使われる資料の中には日記や手紙など、日本のくずし字や候文で書かれてある古文史料が多数あるため、史料分析に関する集中ワークショップに参加し、本研究において一次資料を効率的に分析・活用するようにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は関東大震災後、東アジアにおける人々と情報の移動に関する研究であるため資料収集が重要な課題である。当初の計画のように、「そと(外)」からの視線に注目しながら海外における関東大震災関係資料を集める作業を行い、アメリカの関係資料を多数収集することができた。また、アメリカ学会での研究発表の機会も得ることができたため、海外研究者たちとの研究関心を共有することもできた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に行なった資料調査に基づき、関東大震災における「流言飛語」や情報移動に関する論文を該当学会誌へ投稿する。さらに、日本・朝鮮・中国の間での人々と情報の越境的移動に注目した資料調査・収集に取り組む。そのために日本と韓国の資料を収集することから始め、中国における関東大震災関係資料を集めることを研究計画とする。特に、中国の上海档案館において震災関連の資料を調査することとともに、震災後の朝鮮と中国との間における動きを調査するため韓国の国史編纂委員会図書館で調査活動を実施しようとする。
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Research Products
(2 results)