2014 Fiscal Year Annual Research Report
超音速マイクロチャネルによる電子デバイスの高熱流束冷却技術の確立
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14J07353
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
髙橋 佑弥 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 電子機器冷却 / マイクロノズル / マイクロチャネル / 熱交換器 / 超音速流 / 位相シフト光干渉計 |
Outline of Annual Research Achievements |
電子機器の冷却を目的として,マイクロ超音速ノズルを用いた断熱膨張による低温の超音速空気流をマイクロチャネル内に流すことにより,基板面積基準の熱流束が10MW/m2程度の超高性能冷却機構の実現を目指している. 平成26年度はマイクロ超音速ノズルによって生成されるマイクロチャネル内空気低温流による伝熱過程をより詳細に明らかとするために,ノズルの存在による効果を圧縮性流体の数値解析結果,および位相シフト光干渉計を用いた超音速マイクロチャネル内流れ場の密度場計測結果との比較に基づいて評価した.なお本計測のように,マイクロチャネル内超音速流についての定量的な高精度可視化計測は他に例を見ない.また,マイクロノズルの存在による気流温度への効果について評価するために,ノズル部を設けないマイクロチャネルを併せて作製し,数値解析および計測結果について比較を行った.マイクロチャネルは東北大学ベンチャービジネスラボラトリー,および東北大学大学院工学研究科附属マイクロ・ナノマシニング研究教育センターの設備を使用して作製した. さらに,より簡易なマイクロ超音速ノズルを有するマイクロ熱交換器流路の形状について提案した.ここでは数値解析による検討を行い,マイクロ超音速ノズルの形状を工業的に製造が容易なものとし,さらにノズル下流に位置するチャネル形状について,圧力回復に伴う温度上昇を防ぎ,低温流を維持できるものとした.加えて,本数値解析結果に基づいたマイクロチャネル熱交換器の冷却性能評価を行い,本研究で提案する超高熱流束空冷デバイスの実現可能性を示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,1.数値解析により断熱膨張を生じるためのマイクロノズル形状の検討とマイクロチャネル内超音速流の流動様相,および伝熱機構の解明を行い,2.研究グループで開発した位相シフト技術を適用した光干渉計によって,ノズル内およびチャネル内の密度場を可視化計測する.また,3.これらの研究で最適化した形状を用いたマイクロチャネル熱交換器を作製し,冷却性能評価を行う.4.加えて加熱壁面によるエネルギー供給の流体運動への寄与を明らかとし,伝熱工学と圧縮性流体力学との融合による流体加速技術を確立することを計画している. 現在は数値解析結果に基づく熱交換器の冷却性能評価まで達成しており,当初の年次計画と照らし合わせてもおおむね順調であるといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,年次計画の通り現在進めている熱交換器の作製,および計測結果に基づく冷却性能評価を行い,冷却システムとして提案する.加えて,新たに提案したより簡易な形状のマイクロ超音速ノズルを有するマイクロチャネルを,平成26年度と同様に東北大学ベンチャービジネスラボラトリー,および東北大学大学院工学研究科附属マイクロ・ナノマシニング研究教育センターの設備を使用して作製し,位相シフト光干渉計を用いたマイクロチャネル内超音速流の密度場の可視化計測,および数値解析を実施し,これを評価する. また,加熱壁面によるエネルギー供給の流体運動への寄与について明らかとし,伝熱工学と圧縮性流体力学との融合による流体加速技術を確立することを計画している.
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Research Products
(4 results)