2016 Fiscal Year Annual Research Report
植物免疫におけるMAPキナーゼカスケードの活性化機構の解明
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14J07373
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
山田 健太 近畿大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | MAPキナーゼカスケード / RLCK / リン酸化 / キチン |
Outline of Annual Research Achievements |
MAPKカスケードは、植物免疫において重要なシグナル伝達機構である。しかし、細胞膜に局在する病原菌認識受容体からMAPKカスケードへのシグナル伝達のメカニズムは明らかにされていない。申請者らはこれまでに、シロイヌナズナのキチン認識受容体であるCERK1と相互作用する因子として、RLCKであるPBL27を同定した。また、PBL27と相互作用するMAPKKKとして、MAPKKK5を同定することに成功している。PBL27はMAPKKK5のC末端領域を直接リン酸化することで、MAPKカスケードへシグナルを伝達していることが明らかになった。さらに、MAPKKK5が下流に存在するMAPKKであるMKK4/5を直接リン酸化することも明らかにしており、シロイヌナズナではPBL27を介したリン酸化リレーによる一連のキチンシグナル伝達系が存在していることが明らかとなった(Yamada et al. 2016)。 さらに、イネにおいて、PBL27のオルソログであるOsRLCK185がキチン応答に重要な役割を果たしていることがこれまでに明らかとなっている。申請者らは、シロイヌナズナMAPKKK5のイネのオルソログであるOsMAPKKK18が、OsRLCK185と相互作用することを見出した。in vitroにおける解析の結果、OsRLCK185がOsMAPKKK18のN末端ドメインとC末端ドメインを直接リン酸化することが明らかとなり、OsRLCK185がキチンシグナルを直接MAPKカスケードへ伝達していることが明らかとなった。 以上の結果から、イネとシロイヌナズナにおいて、MAPKカスケードを介したキチンシグナル伝達機構が高く保存されていることが明らかとなった。また、細胞膜受容体からMAPKカスケードへのシグナル伝達において、RLCKが重要な役割を果たしていることが示唆された。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] The Arabidopsis CERK1-associated kinase PBL27 connects chitin perception to MAPK activation.2016
Author(s)
Yamada, K., Yamaguchi, K., Shirakawa, T., Nakagami, H., Mine, A., Ishikawa, K., Fujiwara, M., Narusaka, M., Narusaka, Y., Ichimura, K., Kobayashi, Y., Matsui, H., Nomura, Y., Nomoto, M., Tada, Y., Fukao, Y., Fukamizo, T., Tsuda, K., Shirasu, K., Shibuya, N., Kawasaki, T.
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Journal Title
The EMBO Journal
Volume: 35
Pages: 2468-2483
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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