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2015 Fiscal Year Annual Research Report

In vivoイメージングで解明するプルキンエ細胞のダイナミックな形態発達機構

Research Project

Project/Area Number 14J07589
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

竹尾 ゆかり  慶應義塾大学, 医学研究科, 特別研究員(PD)

Project Period (FY) 2014-04-25 – 2017-03-31
Keywords樹状突起 / 神経活動 / 回路形成
Outline of Annual Research Achievements

これまでの検討により、樹状突起形態形成にプルキンエ細胞の神経活動が必要であることを見出した。そこで、神経活動の下流で細胞内におけるカルシウムシグナリングが樹状突起形成を制御するのではないかと着想した。カルシウムシグナリングの役割を検討するため、プルキンエ細胞においてin vivoで候補分子をノックアウトし、樹状突起形態を解析した。近年発達し注目されているCRISPR/Cas9システムは、簡便にゲノム遺伝子のノックアウトを行うことができる優れたツールである。CRISPR/Cas9システムを子宮内電気閃光法と組み合わせることで、各種候補分子をプルキンエ細胞においてノックアウトし、樹状突起形態を解析した。その結果、P/Q型電位依存性カルシウムチャネル、および、カルシウム/カルモジュリン依存的タンパク質キナーゼ(CaMK2alpha)が、樹状突起の形態に必要であることが明らかになった。したがって、プルキンエ細胞において神経活動の下流で、電位依存性カルシウムチャネルの開口によるカルシウム流入、および、引き続いてCaMK2alphaの活性化が引き起こされることで、樹状突起形態が正しく形成されるものと推察される。
さらに、プルキンエ細胞で樹状突起形成を制御する神経活動が、どのような神経入力によって担われているのかについて、検討を行った。プルキンエ細胞へ投射する平行線維シナプスの形成に重要なタンパク質Cbln1のノックアウトマウスにおいて、プルキンエ細胞樹状突起の形態が損なわれていることが明らかになった。したがって、平行線維シナプスの形成あるいは入力が、プルキンエ細胞樹状突起の形成に必要であることが示唆された。次年度には、平行線維シナプスがどのように発達中のプルキンエ細胞の樹状突起と相互作用し、形態形成の影響を及ぼすかについて、さらなる検討を行う。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の計画通り、神経活動の下流でカルシウムシグナリングが樹状突起形成を制御することを見出し、それを担う候補因子としてCaMK2alphaを同定することができた。
一方、当初の計画ではプルキンエ細胞へシナプスを投射する各種神経細胞への遺伝子導入によって神経入力の意義を検討しようと計画していたが、まず各種神経入力の意義をより簡便に評価するほうが効率的と考えた。そこで、平行線維シナプスの形成が激減することが知られているCbln1ノックアウトマウスを利用してプルキンエ細胞形態を解析したところ、樹状突起の発達が損なわれていることが明らかになった。この結果を踏まえ、平行線維シナプスに着目して、神経入力が樹状突起形態を制御する分子機構の解明をより効率的に進めることができる。
以上より、当初の計画に則って研究はおおむね順調に進展している。

Strategy for Future Research Activity

これまでの研究成果から、神経活動が樹状突起形成を制御する分子メカニズムについて、カルシウム流入によりCaMK2alphaが活性化することが必要であるという仮説を立てることができた。今後は、さらに変異体解析等を行って、詳細な検証を重ねてこの仮説を評価する。
また、ゴルジ装置による膜輸送や、オートライソゾームによる貪食機構が、樹状突起の伸長や退縮を制御するかどうかを検討する。
さらに、神経活動の入力元として平行線維シナプスの関与が示唆された。そこで、当初の計画に沿って、平行線維への遺伝子導入法を確立し、神経活動を制御しながら神経活動プルキンエ細胞の相互作用をin vivoでイメージングすることで、シナプス入力が突起形成をどのように制御するかを解明する。
これらの方策は研究計画におおむね沿っており、現在のところ研究計画への変更はない。

  • Research Products

    (4 results)

All 2016 2015

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] A novel non-canonical Notch signaling regulates expression of synaptic vesicle proteins in excitatory neurons.2016

    • Author(s)
      Hayashi Y, Nishimune H, Hozumi K, Saga Y, Harada A, Yuzaki M, Iwatsubo T, Kopan R, Tomita T
    • Journal Title

      Scientific Reports

      Volume: 6 Pages: 23969

    • DOI

      10.1038/srep23969.

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] RORα Regulates Multiple Aspects of Dendrite Development in Cerebellar Purkinje Cells In Vivo.2015

    • Author(s)
      Takeo YH, Kakegawa W, Miura E, Yuzaki M.
    • Journal Title

      Journal of Neuroscience

      Volume: 35 Pages: 12518-34

    • DOI

      10.1523/JNEUROSCI.0075-15.2015.

    • Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
  • [Journal Article] Purkinje細胞の樹状突起形成機構―新しい方法で古い転写因子RORα役割解明に挑む2015

    • Author(s)
      竹尾 ゆかり、柚﨑 通介
    • Journal Title

      医学のあゆみ

      Volume: 255 Pages: 940-946

  • [Presentation] Multiple roles of RORα in dendritic development of cerebellar Purkinje cells in vivo2015

    • Author(s)
      Yukari H. Takeo
    • Organizer
      第38回日本神経科学大会
    • Place of Presentation
      神戸国際会議場(兵庫県神戸市)
    • Year and Date
      2015-07-28 – 2015-07-28
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2016-12-27  

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