2014 Fiscal Year Annual Research Report
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14J07625
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
加藤 裕紀 宮崎大学, 医学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 小胞体ストレス応答 / タンパク質分解 / 腎臓 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は小胞体ストレスに対するストレス応答系であるUnfolded protein response(UPR)の制御機序の解明からUPRの、特にタンパク質分解機構を標的とした腎疾患治療戦略、小胞体ストレスが関連する腎病態の克服に繋げていくことを究極の目的としている。UPRを構成する分子経路のひとつであるIRE1経路はタンパク質分解機構を誘導する。これまでに、小胞体ストレス応答センサータンパク質IRE1の活性化は様々な調整因子が相互作用することにより制御されており、IRE1経路が活性化または抑制されていることが報告されている。研究代表者もIRE1がオートファジー調整因子Atg12-Atg5複合体の相互作用により制御されていることを見出している。これまでに細胞内に発現するAtg5とAtg12のほとんどは共有結合により複合体を形成しているが、ごく一部複合体を形成しないAtg12がミトコンドリアの恒常性の維持やアポトーシスの誘導に関与することが報告されている。これらの知見を踏まえて研究課題を実施し、平成26年度は以下の研究成果を得た。 ①in vitroの解析により単量体Atg5とAtg12はIRE1に結合することが出来るが、IRE1の活性化には関与しなかった。②培養細胞を用いた過剰発現の実験系の解析によってもIRE1の活性化にはAtg12-Atg5の複合体の結合が関与した。③腎障害モデルにおいてもIRE1の活性化にAtg12-Atg5複合体の結合が関与しており単量体Atg5とAtg12は関与しなかった。④複合体を形成出来ない変異体Atg5とAtg12の過剰発現はAtg12-Atg5複合体のIRE1への結合を阻害した。⑤Atg5はIRE1のkinase領域付近に結合することが確認されたが、Atg12はIRE1へ直接的に結合することが確認されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は第一義に腎細胞におけるUPRの制御機序の解明を目指す。本年度得られた成果は制御機序を明らかするために重要な知見となるため、上記の達成度を提示した。
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Strategy for Future Research Activity |
IRE1とAtg5、Atg12、またはAtg12-Atg5複合体とが結合する詳細なメカニズムを明らかにし、これらの結合をin vitro、in vivoで制御するシステムを開発し、タンパク質分解経路の誘導を制御することを目指す。
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Research Products
(1 results)