2014 Fiscal Year Annual Research Report
非収束計算と厳密な力学的根拠の付与を特徴とする飛行軌道生成の研究
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14J07733
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊多倉 京士朗 九州工業大学, 大学院工学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 誘導 / 軌道 / 衝突回避 / ランダム探索 / ダイナミックインバージョン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主に以下3つの研究を実施した. 1.アルゴリズムの3次元化:本研究では,航空宇宙機の誘導問題を取り扱う.そのため,高度方向も考慮した3次元空間への拡張が必須であった.3次元に拡張したアルゴリズムにおいても多数の障害物を回避する飛行に適した滑らかな軌道が得られた. 2.小型無人飛行機の開発および基礎飛行試験:本年度は,研究アルゴリズムの飛行実証を目的とする小型無人飛行機(UAV)を開発した.冬季には,多数の目標地点を飛行機が自動で通過する自律飛行試験に成功した.更に,飛行中の機体から送信される飛行データを利用して,予め与えた障害物情報をもとに,地上PCで研究アルゴリズムによるリアルタイムの障害物回避軌道計算を行った.結果としては,目的地まで到達した軌道だけでなく,軌道生成に失敗した例も見られ,アルゴリズムの改善点を発見できた. 3.アルゴリズムの改善:これまでの研究を通して,先の研究アルゴリズムには不可避な問題が発生することが分かってきた.それは,力学フィルタにより生成される滑らかな軌道は,ランダム探索によって得られた障害物回避という利点を完全に保障することは出来ないということである.ランダム探索による幾何経路が急激な変化をする箇所では,力学フィルタにより生成される飛行軌道と幾何経路の差異が大きくなり,障害物に衝突する軌道が生成される.そこで現在は,ランダム探索アルゴリズムの内部に力学フィルタを組み込むことで,その問題を解決する新たなアルゴリズムの研究を行っている.提案するアルゴリズムでは,モデルのダイナミクスを考慮した上でランダム探索を行うため,得られる解軌道の障害物回避性が完全に保障される.また,従来のアルゴリズムでは困難であった,帰還軌道の生成も行えるようにアルゴリズムの改良を施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
申請時の年次計画では,アルゴリズムの構築およびシミュレーションによる評価を目標としていた.しかし,実際にはシミュレーションのみならず,小型無人飛行機を開発および飛行実験を行い,研究アルゴリズムのリアルタイム軌道計算を行うまでに至った.よって,当初計画以上の達成度と評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は研究アルゴリズムの有効性の飛行実証を目指して,開発した小型無人飛行機に研究アルゴリズムを実装した自律誘導飛行試験に向けて研究を進めていく.
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Research Products
(2 results)