2015 Fiscal Year Annual Research Report
天然有機化合物の有効活用を目指した新規生物活性化合物探索法の開発とその応用
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14J07738
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野口 太朗 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 鏡像体タンパク質 / 天然物創薬 / 抗腫瘍活性化合物 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、天然物の鏡像構造を有する化合物群の効率的な探索を目指して、鏡像型タンパク質を用いた新規生物活性評価系の構築を行っている。平成27年度は、これまでに開発した探索手法の汎用性の実証を目的として、化学合成例がないGrb2のSH2ドメイン(以下Grb2-SH2)を標的とした研究を実施した。 Grb2-SH2は、N末端セグメントとC末端セグメントを固相合成により合成後、Native Chemical Ligation(NCL)により各セグメントを結合し、脱硫反応に付すことにより調製した。化合物アレイ解析によるスクリーニングに用いる蛍光標識体は、N末端にリンカーを介して蛍光基を導入し、同様のNCLにより調製した。得られた化学合成タンパク質を用いて、化合物アレイを用いたスクリーニングを共同研究により実施した。その結果、天然有機化合物群からL-Grb2とD-Grb2に結合活性を有する化合物を同定した。 二次評価に用いるビオチン標識Grb2-SH2は、2セグメントを用いた合成における収率の問題を解決するべく、3セグメントを用いた段階的なNCL反応により合成した。合成したビオチン標識Grb2-SH2は、Grb2の内因性リガンドであるErbB1ペプチドに対して濃度依存的な結合活性を示し、二次評価に利用できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者は、天然物の仮想的な鏡像異性体ライブラリーから天然型タンパク質に活性を示す化合物を取得する探索法の汎用性の確認や探索プロセスに必要とされる要素技術の改善に向けて、これまでに化学合成例のないGrb2-SH2の化学合成を完了した。合成においては収率の低さをはじめとする複数の解決すべき課題があったが、セグメントの選択の工夫等により、収率よく目的のタンパク質を取得することに成功した。また、これらを用いたスクリーニングを実施し、複数のヒット化合物を取得した。以上のことから、当初の計画通りの研究が進展したと判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
化合物アレイ法より獲得したヒット化合物群に対して、ビオチン標識Grb2-SH2を用いた二次探索を実施する。有望なヒット化合物が得られた場合は、その鏡像骨格の合成と抗腫瘍活性の評価を実施する。また鏡像体間の分子認識に関する更なる知見を得ることを目的に、酵素を標的タンパク質とした検討についても実施する。これまでに培ったタンパク質合成の技術をもとに、天然型と鏡像型の両方のタンパク質を取得し、これら分子を用いたスクリーニングから、天然物の立体構造に関する生物学的な有用性についてより詳細に考察する。
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Remarks |
京都大学大学院薬学研究科 医薬創成情報科学専攻 ケモゲノミクス・薬品有機製造学 http://www.pharm.kyoto-u.ac.jp//seizo/
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Research Products
(6 results)