2015 Fiscal Year Annual Research Report
「在日コリアン文学」の始源としての金達寿文学─その総合的研究
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14J07974
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
廣瀬 陽一 大阪府立大学, 人間社会学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 金達寿 / 在日朝鮮人文学 / 近代日韓関係 / 転向 / 同化 / 在日朝鮮人社会 / 帰化人 / 渡来人 |
Outline of Annual Research Achievements |
①博士論文『「在日コリアン文学」の始源としての金達寿文学──その総合的研究』を大幅に加筆・修正し、『金達寿とその時代──文学・古代史・国家』の題名で図書出版クレインより出版を決定、年度内に校了した。その後、2016年5月に出版した。この他、国際学会の会誌に1本(使用言語は韓国語)・学内雑誌に1本の論文を発表したほか、文芸雑誌『イリプス』に金達寿の伝記を3本発表した。 ②オーストリア・ウィーン大学で開催されたコリア学国際学術討論会で発表を行った(レジュメと発表で使用した言語は韓国語)ほか、国際高麗学会・青丘文庫研究会で、それぞれ発表を行った。さらに今年度中に、6月4日に開催予定の日本近代文学会関西支部において発表とディスカッションを行うことが決定した。 ③2015年5月に中国・延辺大学を訪問して朝鮮族の文学研究者と面談を行い、朝鮮族社会から見た在日文学やコリア文学について議論を行うとともに、関係資料を収集した。その結果、同大学図書館で、金達寿に関する新資料を発見した。また2016年3月には金達寿の故郷である馬山で調査を行い、金達寿の生家や祖母と暮らした家があった場所を特定できた。 ④昨年度に引き続き、地道にインタビュー協力者を探し、新たに数名から貴重な証言を得ることができた。またインタビュー協力者や研究会の参加者から、個人的に金達寿を撮した写真や講演を録音したテープなど、非常に貴重な資料を好意でいただいたり、快く複製を許可していただいた。 ⑤博士論文や、2014年12月に企画して刊行した『金達寿小説集』により、様々な形で研究に協力してくださる方が増え、着実に研究上のネットワークを広げることができた。また今年度は様々な学会や研究会から発表を依頼されたことから、金達寿研究のみならず、在日朝鮮人文学・在日朝鮮人知識人研究者としての申請者の認知度も確実に上がった。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
雑誌論文のうち、「再生産される自己差別──金達寿の「帰化人」批判をめぐって」(『人間社会学研究集録』)は、本来はオープンアクセス可能な論文であるが、『金達寿とその時代』に収録したのに伴い、書誌データのみ機関リポジトリに残し、本文はオープンアクセス不可に変更した。
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Research Products
(14 results)