2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14J08077
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山中 太記 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 形状モデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では形状に加え造形物の様々な性質に着目した高度な三次元造形を行うための形状モデリングに関する技術の開発を目指している。
今年度前半は、三次元造形のためのモデリング手法として、重量特性を考慮し物体の内部構造をモデリングする手法について研究を進め、その成果を国内学会・国際学会で発表した。開発した手法では入力された外部形状の内側に、ユーザが指定する重心や総重量などの重量特性を満たすような密度分布を生成し、次にその密度分布を満たす構造を生成する。この手法によって、例えば、重心などの性質が影響を及ぼす手で使用する製品の試作において、外部形状を変えずに重量特性が異なる試作モデルを試すことが可能になる。また、均一な密度では自立しない形状に対し本手法を適用し、実際に自立する造形物を作ることができた。
今年度後半はX線CTにより得られる三次元画像(ボリュームデータ)からの形状抽出について研究を進めている。X線CTにより、家電製品や自然物など複雑な内部構造を持ち様々な部品から構成される物体を内部構造ごと測定し、その三次元画像を取得することが可能である。しかし、ノイズやX線CTに固有のアーチファクトにより画質の劣化が起こったり、部品間の境界が不鮮明であるため、三次元画像から物体を構成する個々の部品を抽出することは非常に困難である。三次元画像から個々の部品を抽出することは三次元造形だけでなく様々な応用が可能であると考えられる。この研究を進めるにあたり、昨年の10月から今年の3月まで、ドイツに渡航し、アーヘン工科大学において、現地の研究者と共同で研究を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度前半は計画通り、修士課程で行っていた重量特性を考慮し物体の内部構造をモデリングする手法を拡張し結果をまとめ、国際学会で発表した。 今年度後半はアーヘン工科大学において、X線CTによる形状抽出に関する研究を行った。 領域拡張法やミーンシフト法など画像セグメンテーションで使われる手法を試したが、X線CT固有のアーチファクトによる影響により満足のいく結果は得られていない。そこで三次元画像からCT値の勾配の極大点を境界の候補点として抽出し、CT値だけでなく点群の形状の類似度を取り入れた境界抽出手法の開発を試みている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はX線CTにより得られる三次元画像データをモデリングや3Dプリントなどの応用に使用するために材質やパーツを認識することを目的として研究を行う。具体的には、次の課題を考えることで研究を推進させていく ・三次元画像データから高精度な三次元形状の抽出 ・材質や形状の類似性を用い個々のパーツの形状抽出 ・複数の材質やパーツから構成される物体を効率的に表現するためのデータ構造の開発
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Research Products
(2 results)