2014 Fiscal Year Annual Research Report
階層構造制御による複合導電性高分子の電気伝導機構の解明
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14J08108
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
本間 優太 東北大学, 大学院理学研究科, 特別研究員(DC1)
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2014-04-25 – 2017-03-31
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| Keywords | 導電性高分子 / 分子配向制御 / 広角X線回折 / 微小角入射広角X線回折 / 高分子構造・物性 / PEDOT |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は，導電性高分子ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4-スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)におけるPEDOTナノ結晶の配向制御手法を確立し，配向膜の高次構造/異方的特性を明らかにした．また，膜の強酸液浸処理による高電気伝導化の起源となる高次構造変化の詳細を明らかにした．
PEDOTナノ結晶の配向制御は，薄膜の乾燥析出方向を制御するエッジキャスト法により実現した．配向膜の広角エックス線回折(WAXD)測定により，PEDOT鎖が成膜時の固液界面に対し平行に配向することを明らかにした．疎水性のPEDOT鎖が固液界面にトラップされた状態で析出するためであると考えられる．また，成膜温度の上昇に伴い配向度が向上し，水分散液の沸点近傍温度での成膜により最も高い配向度が得られた．膜面内の電気伝導度や赤外反射スペクトルに異方性が観測され，配向度と同様，成膜温度の上昇に伴い異方性が増大した．薄膜のPEDOT鎖平行方向における電気伝導度やプラズマ周波数が高く，ナノ結晶の配向を反映した異方性が得られていることが裏付けられた．
また，キャスト法で作製した無配向PEDOT/PSS薄膜に濃硫酸液浸処理を施し，面内配向に依らない純粋な液浸処理効果を検証した．WAXD測定により，PSS非晶質量が液浸時間の増加と共に減少すること，また，微小角入射広角エックス線回折(GIWAXD)測定により，膜面直方向に関してコアシェル構造の積層集合体からPEDOTとPSSの交互積層構造へと変化することを明らかにした．これらの結果は，構造秩序化による高電気伝導化を示唆しており，今後の成膜指針を決定するのに重要な知見である．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標は，導電性高分子PEDOT/PSSの配向制御手法の確立であった．初期構想とは異なる手法となったが，比較的容易にPEDOTナノ結晶の配向が可能となり，異方的な物性を観測し始めているという点から，おおむね順調に進展していると判断した．
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| Strategy for Future Research Activity |
本年度は，配向制御と強酸液浸処理を独立に行うことで各々の効果を明らかにした．今後は，最適条件で配向制御と強酸液浸処理を組み合わせることで高電気伝導化を達成する．極低温・強磁場中の電気抵抗測定を行い，高次構造秩序化とキャリア輸送特性の相関を明らかにする．
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Research Products
(4 results)
