2015 Fiscal Year Annual Research Report
DJ-1機能解明を目指した小分子リガンドの開発とその応用
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14J08172
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田代 晋也 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | DJ-1 / 阻害剤 / パーキンソン病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はパーキンソン病関連蛋白質DJ-1に対する阻害剤の同定である。目標としてはDJ-1の最重要残基Cys106残基に対して、解離平衡定数100 nM程度で結合し、細胞内でDJ-1活性を阻害する化合物を特定することである。 これまでの研究で、DJ-1に対して解離平衡定数100 nMで結合し、試験管内でDJ-1に結合する化合物が得られていた。平成27年度はこれら化合物の細胞内でのDJ-1に対する阻害活性の検証を行った。 DJ-1については様々な機能が提案されているが、本研究では、DJ-1のグリオキシラーゼ活性について検証を行った。グリオキシラーゼ活性とは、細胞内の糖代謝に伴う副産物であるグリオキサールの変換活性である。グリオキサールが加齢に伴って生体内で増加する毒物であり、老年病であるパーキンソン病との関連が示されていること、DJ-1のグリオキシラーゼ活性がCys106残基に依存することなどから、本機能がパーキンソン病関連因子としてのDJ-1の機能検証に最適であると考え、本機能について検証を行った。 グリオキシラーゼ活性の基質であるグリオキサールは細胞内の種々の蛋白質のリジン残基を非特異に修飾し、カルボキシメチルリジン(CML)に変換することが知られている。細胞内のCML量をウエスタンブロッティングによって定量することで、細胞内のグリオキサール量を定量した。結果、グリオキサールと共にDMSOを加えた場合に比べ、グリオキサールと共に化合物を加えた場合、細胞内のCML量が大幅に増加した。この増加量は化合物のDJ-1への親和性に依存していた。この結果は同定された化合物がDJ-1を細胞内で阻害することを示している。よって、本研究の目標であるDJ-1阻害剤の同定は達成されたといえる。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)