2015 Fiscal Year Annual Research Report
QCD真空凝縮の外場依存性がヘビークォークハドロンに及ぼす効果の解明
Project/Area Number |
14J08288
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
鈴木 渓 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器研究センター, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 量子色力学 / ハドロン / ヘビークォーク / カイラル対称性 / QCD和則 / 高エネルギー重イオン衝突 / 有限密度 / 強磁場 |
Outline of Annual Research Achievements |
ハドロンに外場を掛けることによって、その性質がどのように変化していくかについては古くから議論されており、外場中のQCD真空の性質を理解する上でも重要なテーマである。本研究は、QCD和則やポテンシャル模型などの理論手法を用いて外場中のハドロンに関する解析を行うことにより、外場中のハドロンとQCD真空の関係について系統的な理解を行うことを目的とする。採用第二年度は、以下のテーマで外場中でのハドロンの振る舞いについて、詳細な解析を行った。(1)QCD和則による核媒質中のD中間子の解析(2)QCD和則による磁場中のD中間子の解析(3)ポテンシャル模型による磁場中のハドロン励起状態の解析。 (1)では、QCD和則と呼ばれるQCDに基づく理論手法を用いて、核媒質中のD中間子の振る舞いを詳細に解析した。解析から得られたD中間子質量シフトは、カイラル対称性の回復やクォーク間のパウリ効果などの様々な密度効果を反映しており、有限密度におけるQCD真空の性質やD中間子・核子間相互作用を明らかにする上で極めて重要な結果である。これらの結果は論文としてまとめられ、Physical Review Cに掲載された。 (2)では、QCD和則を用いて、磁場中のD中間子を解析することで、スピン固有状態の混合やランダウ準位、磁場によって変化するQCD真空凝縮が磁場中のD中間子質量へ与える影響を明らかにした。これらの結果は論文としてまとめられ、Physical Review Dに掲載された。 (3)では、構成子クォーク模型に基づく非等方シュレディンガー方程式に対して円柱座標ガウス展開法を適用することで、磁場中のハドロン基底状態・励起状態のエネルギー準位と波動関数を精密に計算することに成功した。主な結果は論文としてまとめられ、Physical Review D (Rapid Communications)に掲載された。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] D mesons in a magnetic field2016
Author(s)
P. Gubler, K. Hattori, S.-H. Lee, M. Oka, S. Ozaki and K. Suzuki
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Journal Title
Physical Review D
Volume: 93
Pages: 054026
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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