2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14J08760
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
田村 守 大阪府立大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 光マニピュレーション / ナノ構造体 / 金属ナノ粒子 / 自己組織化 / シミュレーション / モンテカルロ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
流体力学的現象や自己組織化現象を光で制御し、その効果を融合したナノ粒子のボトムアップ技術である「非平衡ナノ光アセンブリング」の指導原理の開拓が本研究の目的である。具体的な系として、異種金属ナノ粒子を分散した有機溶媒が、気液界面で蒸発する際に生じるナノ粒子の自己組織化現象のシミュレーション手法を、二次元平面を格子状に区切るモデルの下で構築した。得られた結果は共同研究中の実験グループで得られた構造と整合性があり、異種金属ナノ粒子の単層のプラズモニックナノシートをデザインするための指導原理に繋がる。 また、これまでに光照射下での配列構造の機能制御の原理開拓を行ってきており、軸対称ベクトルビーム照射下で、ロッド状銀ナノ粒子を照射光の特性を反映した構造へと基板上に選択的に集積できることを示してきた(大阪大学の実験グループとの共同研究)。加えて、集積構造の光特性を数値的に評価し、ナノギャップ近傍での電場増強効果や、集積に用いた光源と同じ波長の光を強く反射する可能性などを明らかにした。これらの成果は、SERS用の基板や、太陽光デバイス用の波長選択的な反射板としての応用可能性を期待できる。 さらに縦偏光の光電場で配列した球状銀ナノ粒子では、特定の波長の光を粒子間のナノギャップに強く閉じ込め、線幅の細い長寿命の状態を励起できる可能性を示してきた。特に、同時に分散された分子の光学的禁制状態を直接励起する、反応制御の応用可能性を示唆してきた。最終年度には、混在する分子を具体的にモデル化し、銀ナノ粒子複合体のダークモードに由来する応答電場の位相勾配により、3次元的に任意の場所で分子禁制状態を励起できる可能性を直接示し、新たな光化学反応の可能性を見出した。これらの成果は、”Dynamically Controlled Nanogap-Photochemistry(動的制御されたナノギャップ光化学)”に関する新分野開拓に繋がるものと期待される。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(18 results)