2015 Fiscal Year Annual Research Report
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14J08885
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三好 貞徳 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | ALS / 神経筋接合部 / アデノ随伴ウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ALSモデルマウスの治療を目的としたアデノ随伴ウイルスベクター(AAV)の至適ウイルス量の検討および、前臨床試験のガイドラインに準拠し、統計学的に評価が可能な個体数での治療効果の検証を進めた。生存期間の延長効果においてはAAV投与群において良好な結果を得ており、神経筋接合部(NMJ)の増強に関しても免疫蛍光染色による可視化により検証し、その増強効果を確認することができた。また、昨年度の課題であった運動機能の改善効果の検証方法においては、赤外線レーザー式の自発運動測定機の導入により解決した。当該機器はこれまで運動機能の測定が困難であった病態の後期においても高感度に運動機能を評価することができ治療効果の検証に極めて有用であることも分かった。昨年度に習得済みの脊髄前角に存在する運動神経細胞体のニッスル染色技術や運動神経軸索の免疫蛍光染色技術による病理組織学的な解析については、統計学的な評価に必要な個体数に向けて着実に解析を進めており次年度中には計画していた治療効果の検証が完了する予定である。これらに加えて筋萎縮に関してもヘマトキシリンエオジン染色による評価を進めている。次なる研究段階として、NMJ増強療法で得られた知見を基に、さらに効果的な因子の探索を計画していたが、こちらについても既にDNAマイクロアレイによる網羅的な遺伝子発現プロファイルの取得を完了しており、次年度に解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に確立した至適ウイルス投与量や治療効果の評価方法に基づき、統計学的解析が可能な個体数での治療効果の検証を行い、良好な結果を得ている。さらに、当初の研究計画に従い、治療メカニズムの解明と新たな治療技術の開発に向けたDNAマイクロアレイによる遺伝子発現解析を開始している。既に遺伝子発現プロファイルの取得に成功しており、次年度での研究の進展が期待されため。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に取得した遺伝子発現プロファイルについて、個々の遺伝子の発現レベルやこれまでの文献情報と照らし合わせて神経筋接合部の増強や骨格筋から運動神経への逆行性因子の候補をリスト化する。そのうえでin vitro、in vivoでの過剰発現もしくは発現抑制により候補遺伝子の評価を実施する。
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