2014 Fiscal Year Annual Research Report
寄生植物コシオガマにおける吸器発生メカニズムの解明
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14J08907
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
若竹 崇雅 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 寄生植物 / 器官発生 / コシオガマ / トランスクリプトーム / マーカー遺伝子 / ゲノム編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
宿主植物の組織に侵入する細胞で発現する遺伝子を同定するために、組織特異的なトランスクリプトームを行った。レーザーマイクロダイセクションを用いた組織の単離、RNAの抽出・cDNAの増幅、ライブラリ作製という作業過程を経て最終的には、 Illumina Miseq でのシーケンスを行なった。このシーケンスで1億2千万リードを得て、これを用いて以降の解析を行った。宿主組織に侵入している組織とその他の組織のトランスクリプトームデータを比較し、発現変動解析を行った結果、有意に発現が変動している約2600遺伝子を同定することに成功した。この2600遺伝子のうち宿主に侵入している組織で発現が上昇している遺伝子の中から、他の組織での発現がみられないことと、発現上昇の度合いが大きいことの2つを指標にいくつかの遺伝子を選び、その発現パターンを解析した。その結果、宿主植物の組織と隣接している細胞でのみ発現するパターンを示す遺伝子を複数得ることができた。これらの遺伝子の発現パターンは特異性が非常に高く、細胞マーカーとして十分に使えるものである。また CRISPR/Cas9 のシステムがコシオガマでも有効であることが確認できたので、逆遺伝学的に遺伝子の機能解析をすることが可能となった。 モデル植物のシロイヌナズナで得られている知見を参考に、コシオガマの根における、表皮、根毛、皮層、内皮、前形成層のマーカーを確立した。加えて、上述した寄生植物特異的な細胞種類のマーカーも確立した。これらのマーカーの挙動を時空間的に追うことで、寄生植物がどのように根の組織を改編して吸器を形成するかを明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トランスクリプトームのデータを用いて発現変動遺伝子を同定することができたのは大きな成果である。いくつかの遺伝子については発現パターンの解析まで進むことができた。それらの結果はトランスクリプトームの結果をよく反映しており、トランスクリプトーム解析のクオリティを確認することができた。CRISPR/Cas9や細胞種マーカーなどのツールの確立も順調に進んでいるので、次の解析にスムーズに移行できるだろう。
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Strategy for Future Research Activity |
トランスクリプトーム解析によって同定した、吸器特異的に発現している遺伝子については、CRISPR/Cas9システムを用いた逆遺伝学的アプローチにより機能解析を行う予定である。確立してきた細胞種マーカーを、共焦点顕微鏡で継時観察し細胞分化のダイナミクスを明らかにする。
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Research Products
(3 results)