2016 Fiscal Year Annual Research Report
心臓旋回性興奮停止のための通電刺激条件の解明および臨床応用に向けた検討
Project/Area Number |
14J08929
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
富井 直輝 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 位相分散解析 / 通電刺激シミュレーション / 旋回興奮制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,効果的な除細動治療の実現に向けて,心臓旋回性興奮(SW)停止のための効果的な点通電刺激条件を明らかにする事を目的として,光学マッピングを用いた動物実験と,コンピュータシミュレーション実験を行い,点通電刺激がSWに与える影響を定量的に解析した.昨年までに、通電刺激の影響を評価するための客観的なSW中心の挙動解析手法として、位相分散解析を用いる新たな解析手法を提案した.さらに本年度は,以下の事を行った。 ■点通電刺激実験:ウサギ摘出心標本を用いて,誘発したSWに対し様々な位置,タイミングで点通電刺激を与える動物実験を行った.位相分散解析によるSW中心の挙動解析の結果,点通電刺激によりSWの興奮後面に複数のSW中心が発生し,それらが興奮後面に沿って移動し衝突する事による,SW中心位置の移動原理が明らかとなった.またこのようなメカニズムから,SWシフトを誘発する上で,SW興奮後面の通過直後への通電刺激が最も効果的である事が示唆された. ■心臓電気シミュレーションモデル:効果的な点通電刺激パターンを検討するため,心臓電気シミュレーションモデルを構築した.SWに対する効果的な通電刺激パターンの仮説として,線状の連続点通電刺激プロトコルを提案し,心臓電気生理バイドメインモデル上で誘発したSWに対する点通電刺激実験によって有効性を検証した.SW中心が興奮後面に沿って解剖学的ブロックラインまで移動し,SWの停止に成功した. 以上の検討結果から,本研究を通じて,SW中心から興奮後面が解剖学的ブロックライン方向に伸びているタイミングでの,興奮後面への選択的な点通電刺激によって,SW中心を興奮後面に沿って解剖学的ブロックラインまで移動させ,SWを効果的に停止させる点通電刺激プロトコルの可能性を示した.
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] 位相分散マップによる心臓旋回興奮解析2016
Author(s)
富井直輝, 山崎正俊, 荒船龍彦, 本荘晴朗, 神谷香一郎, 柴田仁太郎, 佐久間一郎
Organizer
第55回生体医工学会大会
Place of Presentation
富山国際会議場(富山県、富山市)
Year and Date
2016-04-26 – 2016-04-28
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