2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14J08942
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山﨑 杏子 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 維管束 / ジベレリン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、篩部局在性植物病原細菌が宿主の維管束発生を制御するメカニズムの解明を目的とする。これまで、感染植物では茎の肥大が抑制されること、遺伝子発現レベルにおいても、肥大成長を担う幹細胞である形成層細胞の機能が阻害されることを観察してきた。形成層は、植物体の深くに存在するため解析が困難であり、その確立や活性を制御するメカニズムには不明な点が多い。そこで、シロイヌナズナの葉肉細胞が形成層細胞へと分化転換するin vitro培養系を用いた解析を行い、光シグナルが転写因子であるDELLAタンパク質の機能を抑制し、形成層細胞の確立を促進することを見出してきた。 本年度は光シグナルがDELLAの機能を抑制するメカニズムを解析した。DELLAは、ジベレリンシグナル伝達系の負の制御因子であり、ジベレリン存在時に限定分解を受ける。そこで、光シグナルがジベレリン蓄積量を制御する可能性を検証した。in vitro培養系において、ジベレリン合成酵素(GA3OX) 遺伝子は、明および暗条件下で同程度発現し、主要な活性型ジベレリンであるGA4の蓄積量も、明および暗条件下で同程度であった。さらに、ジベレリン合成阻害剤PACLOBUTRAZOLは、明条件下の形成層確立を阻害しなかった。以上の結果から、光シグナルによる形成層分化にジベレリン蓄積は関与しないと考えられた。続いて、光シグナルがDELLAタンパク質の蓄積量を直接制御する可能性を検証した。DELLA遺伝子のうちRGA1, GAI, RGL1遺伝子の発現量は、暗条件において明条件よりも高く、光シグナルはDELLA遺伝子の発現量を転写レベルで抑制することが明らかになった。以上から、形成層確立を制御するDELLAタンパク質は、光シグナルおよびジベレリンにより、転写あるいはタンパク蓄積レベルで、複雑に制御されると考えられた。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)