2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14J08998
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森田 悠介 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2015-03-31
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Keywords | 光物性 / 励起子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では50年以上前からの懸案であった励起子のボーズアインシュタイン凝縮(BEC)に取り組んでいる。そこで以下の4点において大きな進展があった。 まず1点目は、励起子の輻射再結合過程で一般的に無視される光子の運動量が、本研究で到達した100 mK代の極低温領域では重要な寄与となることを理論的に指摘し、発光強度と温度の関係から実験的に検証した点である。本結果は遷移時に要請される運動量保存則より、BECを含む低速な励起子は光子を放出できないことを意味し、発光観測によるBEC直接検出の問題点を明らかにしたこととなる。このことは国際学会(ICSCE7)や日本物理学会などで報告されている。 2点目は、共同実験者と共に時間分解発光測定を行うことで、励起子の寿命や拡散係数という基礎的なパラメータを測定した点である。このことは凝縮体の安定的生成を論じる上で重要な情報となる。このことは、国際学会(CLEO,ICSCE7)や日本物理学会などで報告されている。 3点目は、励起子の内部状態遷移に伴う誘導吸収を用いた、吸収分光法(Lyman分光法)を導入した点である。誘導吸収に寄与する励起子には制限がないため、凝縮体も吸収に寄与できると期待され、1点目で挙げた問題点を克服できる。また、双極子モーメントの値を用いて吸収量から正確な密度を算出できるのが利点である。しかし吸収される光が中赤外であるため、余計な熱輻射が冷凍機内に流入を防ぐのが課題となる。当研究員は、希釈冷凍機に取り付けられた光アクセス用の窓の帯域、大きさなどを制限し、格子温度120 mKという極低温下でのLyman分光を実現した。このことは、日本物理学会などで報告されている。 最後の4点目は発光観測と誘導吸収分光を合わせた系統的解析をもとに、高密度励起子生成時に量子縮退を示唆する現象を観測した点である。このことは日本物理学会などで報告されている。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)