2015 Fiscal Year Annual Research Report
DNA結合脂質を用いた細胞間コミュニケーションモデルの構築
Project/Area Number |
14J09147
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
風山 祐輝 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | ジャイアントベシクル / リポソーム / 人工細胞モデル / マイクロ流体デバイス / マイクロフルイディクス / DNA / DNAコンピューティング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,DNA反応を利用して膜間で情報伝達を行う人工細胞系,つまり細胞間コミュニケーション機構のモデルの構築である.2年度目は,1年度目に設計・試作した粒径選別・空間配置複合型マイクロ流体デバイスを用いて2個のGVの接合とその接合状態の制御を達成するにあたり重要な知見を得る目的で,脂質膜上におけるDNAの連続的な二重鎖形成反応を詳細に追跡し,その動作効率を評価した. GVに配合するDNA結合脂質として,DNAの末端にコレステロールが標識された市販の脂質を用いることとした.既報を参考に,連続的な二重鎖形成反応により発光状態から消光状態を経て再び発光状態に遷移する蛍光団担持型DNA-コレステロール複合分子を設計した.発光状態にあるDNA担持リポソームをマイクロ流体デバイス内部で並列配置し,外水相からDNA水溶液を逐次添加した際のリポソーム膜上の蛍光強度の時間変化を同時並列計測した.初めに,12-27塩基の短鎖DNAの組を用いて実験を行ったところ,初期蛍光強度に対する相対蛍光強度は消光時,蛍光回復時においてそれぞれ35 ± 4%, 78 ± 5% (n = 30) となった.これは,未反応のDNAを洗い流せる流路の特性により,DNAが効率よくリポソーム膜上で反応できることを示唆している.次に,27-42塩基の長鎖DNAの組を用いて同様の実験を行ったところ,相対蛍光強度は消光時,蛍光回復時においてそれぞれ10 ± 3%, 20 ± 4% (n = 20) となり,脂質膜からの長鎖DNA-コレステロール複合分子の脱離が示唆された. 本研究成果により,GV膜上でのDNA反応が設計通り進行することが実証されたとともに,DNAの鎖長と脂質膜上での動作効率の関係について重要な知見が得られた.
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)