2016 Fiscal Year Annual Research Report
タイ類ゼニゴケにおけるエンドソーム-葉緑体間の膜交通制御機構の解析
Project/Area Number |
14J09224
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金澤 建彦 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 膜交通 / SNARE / ゼニゴケ / オルガネラ / ライブセルイメージング / 細胞膜 / 分泌輸送 / エキソサイトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
膜交通経路およびオルガネラの新規獲得・多様化について新たな知見を得ることを目的とし、当該年度は、植物の陸上化に伴い多様化したと考えられている分泌/エキソサイトーシス経路とその制御因子、特にSYP1メンバーについて注目し、解析を行った。 SYP1は主に細胞膜に局在し、細胞膜と分泌小胞の融合の実行因子として機能している。これまでの比較ゲノム解析から植物の陸上化に伴い、SYP1パラログ数の増加がみられ、車軸藻類の一種Klebsormidiumでは1遺伝子だが、ゼニゴケでは4遺伝子、シロイヌナズナでは9遺伝子存在する。ゼニゴケの4つのSYP1メンバーすべてを蛍光タンパク質融合のコンストラクトを用いて可視化し、局在観察を行ったところ、細胞膜に加え、細胞種特異的なオルガネラ・細胞内構造に局在することが明らかになった。また、この特異的な輸送制御についてプロモーター交換実験等により調べたところ、細胞種特異的に一過的な細胞状態変化に応じ、遺伝子の発現制御と輸送の方向の切替えが起こることで、特定のオルガネラ・細胞内構造への輸送が制御されていることが明らかになった。 これまでに報告されている他の陸上植物に特異的な細胞内構造・オルガネラについての知見と本研究で得られた知見を比較・統合した結果、既存の輸送経路を新規の細胞内構造・オルガネラ方向に転用していることが考えられた。陸上植物の共通祖先は、新規オルガネラ/細胞内構造獲得のストラテジーの1つとして、細胞種特異的・細胞状態特異的に既存の膜交通経路を異なるオルガネラへの輸送に転用させることで、オルガネラの獲得とそれに伴う新規膜交通経路の獲得を行ったことが強く示唆された。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] Cell type-specific reorientation of a trafficking pathway led to acquisition of new organelles during land plant evolution2016
Author(s)
Takehiko Kanazawa, Hatsune Morinaka, Takuya Norizuki, Atsuko Era, Naoki Minamino, Yu Shikano, Masaru Fujimoto, Tomohiro Uemura, Ryuichi Nishihama, Katsuyuki T. Yamato, Kimitsune Ishizaki, Tomoaki Nishiyama, Takayuki Kohchi, Akihiko Nakano, Takashi Ueda
Organizer
EMBO Workshop, New model systems for early land plant evolution
Place of Presentation
Vienna(Austria)
Year and Date
2016-06-22
Int'l Joint Research