2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14J09233
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中西 秀和 九州大学, システム生命科学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2015-03-31
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Keywords | ナノ粒子 / 抗酸化作用 / Nrf2 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】これまでナノ粒子の生体への影響に関する報告では安全性や毒性に関する報告が多数を占めていたが、近年還元活性を持つナノ粒子の抗酸化剤としての利用が注目されている。我々はこれまでに、粒子径2-3 nmの合成白金ナノ粒子が試験管内試験においてスーパーオキシド、過酸化水素やヒドロキシルラジカルなどの活性酸素種(ROS)を消去することを、細胞内において細胞内活性酸素を抑制することを明らかにしてきた。その一方で、細胞内での活性酸素抑制メカニズムは、明らかになっていなかった。そこで、今回はNrf2-ARE経路に着目し白金ナノ粒子が抗酸化性を示す機構を初めて明らかにした。 【方法】白金ナノ粒子はH2PtCl6のクエン酸還元により合成した。抗酸化関連遺伝子の発現量変化についてReal-time PCR法を用いて、抗酸化関連タンパクの発現量をWestern Blottingによってそれぞれ解析した。最後に、それら抗酸化関連酵素の上流にある転写因子Nrf2のタンパク発現量を免疫染色法、及びWestern Blottingから解析した。 【結果と考察】 白金ナノ粒子処理により細胞内Glutathione Reductase, Catalase, Heme Oxygenase-1及びManganese-SODの遺伝子及びタンパク発現量の増強が認められた。また、それらを上方制御する転写因子Nrf2が核内に顕著に蓄積することが明らかになり、さらにKeap1タンパクの発現減少が認められ、白金ナノ粒子がNrf2-ARE経路を介して細胞内ROSを抑制している可能性が示唆された。以上の結果から白金ナノ粒子はNrf2-ARE系を介して内在的な抗酸化能を上げることの出来る新規の抗酸化剤として、様々な酸化ストレス関連疾患を抑制する効果が期待できることが示唆された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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