2014 Fiscal Year Annual Research Report
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14J09236
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川節 和哉 東京大学, 大学院数理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 中間頂点部分代数 / 中間リー環 / 主部分空間 / モジュラー不変性 / アフィン頂点作用素代数 / 格子頂点作用素代数 |
Outline of Annual Research Achievements |
中間頂点代数の指標の分解の公式の背後に、有理格子に付随する、一般化された格子頂点作用素代数の、主部分空間としての表現の構造が隠れていることを突き止め、そのような主部分空間の構造と指標を調べた。その結果、中間頂点代数の表現としての分解を、主部分空間として記述することに成功した。そこから指標のモジュラー不変性を示すことが出来る。それをsimply-lacedでないリー環の場合にも応用し、A型以外のタイプの中間頂点代数の指標に、中心電荷c=-3/5のヴィラソロ極小模型の指標が現れることが分かった。それによって、C型の場合に中心電荷のアナロジーを計算すると、奇シンプレクティックリー環のキリング形式と、正規化された不変内積の制限の比として定義される双対コクセター数から計算される中心電荷のアナロジーの値にずれが見られた。そこで、今までとは異なるアプローチが必要とされた。それを解決するような原理として、中間頂点部分代数の指標を、Kac-Roan-Wakimotoで提唱された、極小冪零元に付随するW代数のRamond-twisted既約表現の指標として記述するという原理が得られた。そこで、それを用いて、アフィン頂点作用素代数とヴィラソロ極小模型のテンソル積の分解としての指標の具体的な形がどうなるべきかということを特定した。C型の場合に、その結果として現れる中心電荷のアナロジーは、奇シンプレクティックリー環のキリング形式から計算される中心電荷のアナロジーの値と一致した。そこで、そのような指標を持つ新しい頂点代数を構成するという問題が自然に生じるが、一般化された主部分空間の研究から、C型のレベル1のアフィン頂点作用素代数と、ユニタリヴィラソロ系列のテンソル積頂点作用素代数の部分頂点代数として構成するべきだという方法が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
C型を含む広い範囲で、中間頂点代数の指標が得られ、しかも、表現の分解を記述することが出来た。また、中間リー環のアフィン頂点代数化という観点からより良い中間頂点代数の指標やレベルを特定することが出来たので、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
特定した指標の分解の公式を手がかりに、奇シンプレクティックリー環に付随するより良い中間頂点代数を構成する。その際、格子頂点作用素代数とユニタリヴィラソロ系列のテンソル積の主部分空間を導入し、その表現としての構造を用いる予定である。また、ムーンシャイン加群に対しても、W代数の指標を使って言えることがないか探してみる。
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Research Products
(5 results)