2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14J09259
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大川 幸男 東京大学, 数理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | ユニットF-クリスタル / D-加群 / フロベニウス構造 / リーマン-ヒルベルト対応 / 偏屈t-構造 / 構成可能層 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はEmerton-KisinによるユニットFクリスタルに対するリーマンヒルベルト対応の研究を行った. これは柏原-Mebkhoutによるリーマンヒルベルト対応の正標数における類似であり, フロベニウス構造付きのD-加群と構成可能層の対応である. Emerton-Kisinは滑らかなスキームに対してこの対応を証明していた. 研究代表者は当初, Fontaine-Illusie-加藤による対数的代数幾何学の枠組みを用いることで, 対応の対数的に滑らかな対数的代数多様体への拡張を構想していた. これについては満足のいく結果は証明出来なかった. しかしながら, 当初とは異なる視点に基づく手法により, 対応を滑らかな多様体に埋め込み可能な代数多様体へ一般化できた. 鍵となる結果として, 埋め込んだ先のユニットFクリスタルの三角圏の対象で, その台が代数多様体に含まれるもの全体のなす圏が埋め込みの取り方によらないことを示した. この結果により, 埋め込み可能な代数多様体上にユニットFクリスタルのなす三角圏が導入できる. この三角圏上に順像, 逆像, テンソル積の3つのコホモロジー演算を構成した. またこの三角圏と構成可能エタール層のなす三角圏との間にリーマン-ヒルベルト対応を構成し, それが3つのコホモロジー演算と整合的となることを示した. このリーマン-ヒルベルト対応を通じてそれぞれの標準t-構造の像は偏屈t-構造を定義する. 本研究ではこうして得られるt-構造の記述を与えた. 準射影的代数多様体は全て埋め込み可能である. このように滑らかとは限らない代数多様体に対して理論を拡張できたことは当初の期待を超えるものであり, この研究一番の意義である.
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)