2016 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠時リハーサルによる手続き学習定着の神経機構:鳴禽類の歌行動をモデルとした研究
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14J09362
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橘 亮輔 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 可塑性 / 発声学習 / 運動制御 / 聴覚フィードバック |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、これまでの研究成果に基づいて、若鳥においては可塑性が成鳥に比して非常に大きいことを発見したため、これについて論文を著した(Tachibana et al., in press)。また、成鳥における歌の時間制御についての学習速度は元来のバラツキの大きさと関連があることについて投稿準備中である。さらに、学習中に脳領域特異的に神経活動を不活性化することで学習の定着量を推定した結果について学会発表を予定している。これら以外に共同研究として、鳴禽の歌制御の基礎的な知見を得ることを目的として、背景雑音に応じた歌の音響特徴量の変化についての研究について論文を著した(Shiba, Okanoya, Tachibana, 2016)。 前年度よりETH ZurichのInstitute of Neuroinformaticsに滞在し、Richard Hahnloser教授との共同研究を行なってきた。前年度までに構築した神経活動の記録とそれに対する信号処理との高速な連携を可能にする仕組みを利用して、多点電極により学習に関連する脳領域からの長期間の神経活動記録を行なった。このデータの情報量解析から学習の定着における睡眠の影響が明らかになることを期待する。一方、電気刺激および光遺伝学的刺激により学習中の神経活動に介入する実験を進めたものの、期待する成果を得るには至らなかった。実験手法の根本的な改善が必要であると考えられる。これと同時に、韓国脳科学院(KBRI)の小島哲主任研究員との共同研究を進めた。この研究は脳活動の薬理学的な操作によって学習定着のタイミングを調べるものである。予備的なデータはむしろ睡眠時に特異的に学習が定着する可能性を否定し、覚醒時・睡眠時の両方を通じて徐々に定着する可能性を示唆しているため、さらなる検討が必要である。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)