2015 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチン経路を介した植物の抗ウイルス防御応答機構のin vitro解析
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14J09426
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桂馬 拓也 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 植物ウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
ユビキチン経路とは、ユビキチンを標識することで標的タンパク質をプロテアソームによる分解へ導くタンパク質分解経路である。ユビキチン経路では、E1、E2、E3という3種類のタンパク質が働くことが知られている。植物においてユビキチン経路の特異性を担うのはE3であると考えられており、E3を明らかにすることがユビキチン経路の意義およびメカニズムを解明する上で最も重要である。 ユビキチン経路はタンパク質の分解系であることから、植物ウイルスに対する抗ウイルス防御反応として機能することが予想される。そこで本研究では、タバコモザイクウイルス(tobacco mosaic virus)をモデルウイルスとして用い、植物ウイルスに対するユビキチン経路を介した防御応答の解析を行う。
本研究の遂行にあたり、ウイルスタンパク質の分解とウイルスの複製の両方を同時に評価するin vitro系の構築が必須である。本年度は、上記in vitro解析系の構築に向け、単一のin vitro翻訳系において複数のタンパク質を順次翻訳させる条件について検討を行った。タバコBY-2培養細胞由来細胞抽出液 (BYL) を用いて複数タンパク質の翻訳活性を評価したところ、二番目以降に加えたmRNAからの翻訳産物の蓄積量は、最初に加えたmRNAからの翻訳産物の蓄積量と比べて、著しく少ないことが明らかになった。そこで、最初のmRNAを翻訳させた後に新鮮なBYLを加え、二番目のmRNAを翻訳させるという手順を踏むことにより、複数のタンパク質を翻訳することが可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ウイルスのin vitro複製系および複数タンパク質のin vitro翻訳系の確立に向けた条件検討に時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、本年度までで構築した実験系を用いてウイルスタンパク質の分解と複製阻害の関連性について解析する。また、E3タンパク質の細胞内局在について解析し、ウイルスタンパク質との相互作用を三次元的に理解する。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] Current status of plum pox virus in Japan2015
Author(s)
Takuya Keima, Akira Yusa, Kensaku Maejima, Masayoshi Hashimoto, Yasuyuki Yamaji, Shigetou Namba
Organizer
The 6th International Conference of Clinical Plant Science
Place of Presentation
東京大学(東京都 文京区)
Year and Date
2015-12-05
Int'l Joint Research