2016 Fiscal Year Annual Research Report
SRY標的遺伝子および初期卵巣化因子の同定と発現解析
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14J09465
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三浦 健人 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 性決定 / 卵巣 / 精巣 / SRY / 性の可塑性 / セルトリ細胞 / 顆粒層細胞 / SOX9 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス胎子XX卵巣を父性環境下 (雄ヌードマウス腎臓被膜下への移植) で発生させると、生殖腺が発生初期の未分化な状態に戻り、精巣化する (XX精巣化モデル)。本研究は、このXX精巣化モデルを用いて、「①精巣決定遺伝子SRYの標的遺伝子」および「②初期卵巣化因子」の同定を行うことを目的に行われている。 ①申請者は、SRYの新たな標的遺伝子を同定するために、XX精巣化の過程で未分化な状態に戻ったXX生殖腺に異所的なSRYを誘導し、遺伝子発現を解析した。マイクロアレイ解析の結果、発現が上昇した遺伝子の中には、セルトリ細胞特異的に発現している転写因子が含まれており、それらの発現は、Sox9発現と高い正の相関を示していた。また、これら3つの転写因子は、胎生期の野生型XYまたはSRY恒常発現型XX生殖腺においても高発現しており、胎生期の精巣決定においてSRY標的遺伝子として機能している可能性が示された。 ②申請者は、XX精巣化の過程での遺伝子発現変動を、マイクロアレイにより継時的に解析した。その結果、XX精巣化の進行に伴い、顆粒膜細胞特異的遺伝子群のうち、約25%の遺伝子が発現の減少を示すことが分かった。これらの発現が減少した遺伝子の中に、初期卵巣化に関わる遺伝子が含まれている可能性がある。 対照的に、XX精巣化の進行に伴い、セルトリ細胞に特異的な遺伝群の約25%の遺伝子が発現の増加を示すことが分かった。XX精巣化の過程で発現が上昇した遺伝子に関して、CRISPR-Cas9システムを用いてノックアウトしたマウスを作製した。ノックアウトマウスの移植卵巣では、野生型の移植卵巣と比較して、退行中の卵胞数が有意に増加していた。これらの結果から、ノックアウトした遺伝子は、移植卵巣の雄性化過程における卵胞の維持に関与していることを明らかにした。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)