2014 Fiscal Year Annual Research Report
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14J09610
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
仮屋園 遼 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 減数分裂 / 染色体分配 / 対合 |
Outline of Annual Research Achievements |
減数分裂期において相同組換えによって形成される相同染色体間のキアズマは正確な染色体分配に必要である。減数分裂期前期には相同組換えに先立ち、相同染色体が互いを認識するペアリングが起きるが、ペアリングが染色体全長で起きる分子的機構は不明である。本研究では染色体の腕部を可視化することで、相同染色体のペアリングをモニターできる分裂酵母を用いて減数分裂期における相同染色体のペアリングに必要な因子を探索している。 これまでの解析から、組換え反応そのものが相同染色体のペアリングを促進することが分かっていた。そこで組換えに先立って生じると予想されるペアリングを担う因子を同定するため、減数分裂期特異的な因子群について、組換えが起きない状況下におけるペアリングに対する必要性を調べた。その結果,減数分裂期特異的コヒーシンとその下流で相同組換えに関わる因子群が組換え非依存のペアリングにおいても必要であることを見いだした。 得られた因子群のうち、組換え関連因子Rec15をLacIタンパク質と融合して相同染色体の両方に挿入したLacOリピート上に集積させると、挿入したLacOリピートの間で会合が促進されることが分かった。Rec15のドメイン解析により会合促進に必要な領域を特定した。このRec15のlacOリピートにおける会合促進能が染色体全体のペアリング促進能である可能性について現在解析中である。 また、これらの因子群は減数分裂期前期に染色体全域に特定の集積パターンを形成して局在しており、この集積パターンが相同染色体の識別に用いられている可能性を示唆している。 よって現在は得られた因子群がどのようにペアリングを促進するのか、そのメカニズムについて解析中である。とくに、因子の集積領域での局所的なペアリングがどのように染色体全域のペアリング促進につながるかを解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
減数分裂期特異的因子の中からペアリングに関わる因子群を単離することが出来た。 しかし、得られたペアリングに関わる因子群のうち、いくつかの局在が相互依存的であるため、各因子の十分性についての検証が難航している。 また、得られた因子群は相同組換え反応にも必須の因子であった為、ペアリングの変異体の減数分裂における影響を検証できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
ペアリング促進に十分な最小因子を決定する。 因子の局所的な会合がペアリング促進を担っている可能性を検証するため、invitroでペアリング因子の相互作用を調べる。 また、局所的な会合のパターンが相同染色体の識別を担っている可能性を検証するため、ゲノムを大幅に改変した分裂酵母の染色体を作成し,ペアリングを調べる。
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Research Products
(1 results)