2015 Fiscal Year Annual Research Report
指示忘却による記憶抑制が睡眠中の記憶処理及び夢内容に及ぼす影響の検討
Project/Area Number |
14J09711
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
池田 大樹 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所成人精神保健研究部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 睡眠 / 記憶 / 情動 / 指示忘却 |
Outline of Annual Research Achievements |
記憶課題の想起成績が、記憶抑制法(記銘前後に忘れるように指示する指示忘却法など)により低下することが報告されている。また、睡眠は記憶の定着を促進することが明らかにされている。一方、記憶抑制下での恐怖文脈記憶後に睡眠剥奪を行うと、恐怖文脈記憶が逆に増強されることも報告されている。しかしながら、この背景メカニズムは明らかではない。本研究ではfMRIを用い、睡眠による記憶抑制された恐怖記憶の処理に関わる背景神経メカニズムを検討した。健康成人40名を20名ずつ、睡眠群と覚醒群に無作為に割り付けた。睡眠群は、19時(セッション1)から記憶・指示・再認課題を実施し、0時から7時間程度の夜間睡眠をとり、9時(セッション2)から再認課題を行った。覚醒群は、8時(セッション1)から記憶・指示・再認課題を実施し、19時(セッション2)から再認課題を行った。記憶課題は、単語96対を記憶する課題であり、そのうち48対で指尖電気刺激を用い恐怖条件付けを行った。指示課題では、単語対の一方を提示した際に対を覚える(指示記銘)あるいは忘れる(指示忘却)指示を与えた。再認課題では、指示課題で提示しなかった対刺激を提示し、これに対する記憶課題での提示の有無を判断させた。指示・再認課題中はfMRIによって脳活動を測定し、睡眠中は睡眠ポリグラフ測定を行い、睡眠内容を客観的に測定した。その結果、指示忘却により、睡眠群で中性刺激の再認課題正答数がセッション1と比較してセッション2で有意に低下し、これに関連して指示忘却条件で海馬傍回活動がセッション1と比較してセッション2で有意に低下した。一方、指示忘却条件におけるセッション2の再認課題正答数と睡眠段階REM出現率に負の相関傾向が認められた。以上により、忘却指示後に睡眠をとることで、海馬傍回活動が低減し記憶成績が低下すること、これにはREM睡眠が関連していることが示唆された。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)