2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14J09735
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
玉井 佑 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
|
Keywords | 粒子法 / メッシュフリー法 / LSMPS法 / MPS法 / 高次精度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、既存のMoving Particle Semi-implicit法(MPS法、Koshizuka and Oka, 1996)をベースとして、その精度や数値安定性を向上させることを目的としている。昨年度は、空間離散化スキームや時間積分スキーム、境界条件の処理法など、数値計算の根幹をなす部分を従来手法から刷新したLeast Squares Moving Particle Semi-implicit法(LSMPS法、Tamai and Koshizuka, 2014)を開発した。本年度は、その離散化手法をさらに改良し、さらなる精度や計算効率の向上を計ったスキームを開発した。 具体的には、Navier-Stokes方程式の粘性項や、圧力Poisson方程式に現れる、Laplace作用素を離散化するための新たなスキームの開発を行った。新たに開発された離散化スキームでは、少なくとも一次の適合性(Consistency)を有するスキームの中では最も局所的な離散化が行えるため、離散化に必要な近傍粒子数が最も少くて済む。それによって、粒子配置が粗な部分においても適合性を保った離散化が可能となり、また従来のスキームと比べても精度・計算効率が向上した。この成果は既に、国際学会、及び論文誌において発表されている。また、メッシュフリーの枠組みの中で適用できるコンパクトスキームについても改良を行い、さらなる精度や計算効率の向上が実現された。この成果については、次年度、論文誌において発表する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メッシュフリー空間離散化スキーム、及び時間積分スキームの開発・改良に関しては着々と進捗があり、その成果も学会発表、もしくは論文誌にて発表しているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
差分法において用いられるコンパクトスキームをメッシュフリー法に適用できるように拡張したメッシュフリーコンパクトスキームをさらに改良し、高周波成分を除去して数値安定化を図るコンパクトフィルターの導入を検討する。 また、従来の粒子法のような完全なLagrange的記述に基づく手法においては、流れ場の時間発展に伴い、空間離散化の観点から適切、あるいは望ましいとされる粒子配置が保てなくなるという問題があるため、その問題点を払拭するために、任意Lagrange-Euler法(Arbitrary Lagrangian Eulerian, ALE)の導入を検討する。
|
Research Products
(12 results)