2014 Fiscal Year Annual Research Report
強いスピン軌道相互作用を持つ層状化合物の開拓-トポロジカル絶縁体から超伝導まで
Project/Area Number |
14J10151
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
加納 学 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | スピン軌道相互作用 / 相対論効果 / ラシュバ効果 / トポロジカル絶縁体 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はトポロジカル絶縁体化やラシュバ効果, 空間反転対称性の破れた超伝導などを引き起こす強いスピン軌道相互作用を持つ物質群に着目し, これらの発現しうる新しい新規物質開拓を目的とした研究を行った. 特に本年度は強いスピン軌道相互作用持つ極性ナローギャップ半導体BiTeX(X=Br, I)をトポロジカル絶縁体化することを考え, 二次元トポロジカル絶縁体であるBi2層を挿入した物質(Bi2)m(BiTeX)n(X=I, Br)の開拓を行った. BiTeIのスピン軌道相互作用を増大させることを目的に(BiTeI)-(BiTeI)層の層間にBi2層を挿入することを試み, m:n=1:2で交互に規則的に積層したBi2TeIの単結晶育成に成功した. 単結晶X線回折による構造解析を行い, その結果を反映させた第一原理計算により電子構造の波動関数を解析したところ, Bi2TeIがナローギャップ半導体であること, および今までにほとんど報告例のない弱いトポロジカル絶縁体である可能性を示した. 育成に成功した試料の輸送特性を評価したところ, ゼーベック係数の測定の結果からp型とn型にキャリア制御出来ていることが明らかになった. 一方で, Bi2TeIのIをBrに置換した物質((Bi2)m(BiTeBr)n)の結晶育成にも取り組み, m:n=1:2(Bi2TeBr)およびm:n=1, 3(Bi5Te3Br3)と考えられる単結晶を得た. 第一原理計算による電子状態の解析からBi2TeBrとBi2TeIは非常に似通ったバンドをしている事が明らかになり, Bi2TeBrはBi2TeIと同様に弱いトポロジカル絶縁体であることが分かった.
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Research Progress Status |
本研究課題は平成27年度の交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は平成27年度の交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(3 results)