2015 Fiscal Year Annual Research Report
歪み補償系積層ゲルマニウム量子ドットの開発と超高効率太陽電池への応用
Project/Area Number |
14J10268
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
後藤 和泰 東京工業大学, 総合理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 歪み補償 / 自己形成量子ドット / 太陽電池 |
Outline of Annual Research Achievements |
量子ドットを用いた太陽電池は,太陽電池の変換効率が向上するとして非常に魅力的である.本研究では,太陽電池応用のための希釈炭化ケイ素(Si1-xCx)層を中間層に用いた歪み補償系積層ゲルマニウム(Ge)量子ドットの開発を目的とした.積層量子ドットを用いた太陽電池は,pn接合方向への量子ドット間隔の近接化,すなわち,膜厚の薄い中間層を用いることによりキャリアの輸送特性の向上が期待できる.しかし,中間層の薄膜化は,量子ドット層で生じる歪みの伝搬・蓄積を増大させ,積層欠陥の発生により結晶品質が悪化することが知られている.Si1-xCx層は歪み補償層として作用し,量子ドットサイズの増大を抑制することが期待できる.昨年度は,Si1-xCx母材を用いた積層Ge量子ドットの開発に取り組み一定の成果を出せた.そこで本年度では,積層Ge/Si1-xCx量子ドット太陽電池の作製,および中間層膜厚の薄膜化が太陽電池に及ぼす影響を調査した. 50層積層Si1-xCx上ではGe量子ドット太陽電池はGe/Si量子ドット太陽電池と比較して,量子ドット同士が合体した巨大ドットの発生が抑制されたことにより,キャリアの収集が改善していることが分かった.その結果,開放電圧が改善し,変換効率が向上した. また,中間層膜厚が太陽電池特性に及ぼす影響を調べ,印加電圧によって弱められた内蔵電界の際には,中間層薄膜が薄いほうが外部量子効率が改善,すなわち,キャリアの収集が改善されていることが見出され,量子ドット層でのキャリア輸送の向上を示唆する結果を得た. 本研究で得られた量子ドットサイズの増大,凝集体の発生を抑制するSi系材料での歪み補償の技術は,Siを用いたヘテロ材料系に有意義な知見を与え,電子デバイスなどの応用に資するものと考えられる.今年度の成果は,国際会議として口頭発表を行い,査読論文誌に投稿する予定である.
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)