2015 Fiscal Year Annual Research Report
C・W・ミルズのプラグマティズム研究-自己論と「公衆教育」のつながりに着目して
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14J10309
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高田 正哉 東京大学, 教育学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 社会学的想像力 / C・ライト・ミルズ / ノーマン・K・デンジン / 解釈的相互作用 / 公共的争点 / シティズンシップ教育 / 公共性 / 文化批判 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、C・ライト・ミルズのプラグマティズムについて、特に1980年代にノーマン・K・デンジンのミルズ『社会学的想像力』の再解釈を中心にして、理論に関する研究、および教育実践に関する研究を行った。デンジンによるミルズの再解釈は、現代アメリカ社会学および教育実践に欠かせない。というのも、ミルズ『社会学的想像力』は、ミルズの論じた社会学研究方法論という文脈から離れて、現代文化批評、政治教育に応用されている。その中でデンジンの『社会学的想像力』の再解釈は、デンジンによるメディア社会が構築した多種多様な個人のあり方としてのテクストから、個々人の自己アイデンティティを不断に構築していくこと、および自己と公共社会の関係を自己の「生きられた経験」を公共的争点で解釈するということを通して理解するいう方法となっている。 また、ミルズの『社会学的想像力』は、地域の論争的争点を、自己の抱える私的問題としての「生きられた経験」との関係を理解することで、論争的争点を自己自身の問題としうるという点に着目して、教育実践の方法として再構成されている。ミルズの『社会学的想像力』を教育実践に応用している事例の調査を参考にして、日本のまちづくりおよび教育実践へいかに応用するか、フィールドワークや聞き取り調査を通して研究活動を行った。 ミルズの「社会学的想像力」は、デンジンの研究以降、アメリカ社会学会においてM・ブラウォイによる「公共社会学」の提案など、社会変革と学問との関係を探るための方針として広く再解釈されてきた。また、日本においてもデンジン、ブラウォイの研究が知られるようになり、ミルズの意義が再検討さてきている。今後は、アメリカと日本におけるミルズ理解の比較を通して、ミルズの「社会学的想像力」がいかなる実践を可能にするかを考察していきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、ミルズの「社会学的想像力」について、資料収集およびフィールドワークを広く行うことができた。その成果を通じて、論文投稿、学会での口頭発表を行うことができた点で、進捗は進展していると評価できる。他方で、日本国内での調査を中心にして行ったので、アメリカでの資料収集ができなかったので、来年度の調査研究に引き継ぐ予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の資料収集をもとにして、学会発表および論文投稿をする予定である。大幅な研究計画の変更はないものの、特に日米のミルズ理解の相互作用という点に特に着目して、戦後日本社会学史の資料収集およびアメリカと日本の学術的影響関係を示す資料収集をしていく。また、教育実践に関するフィールドワークも行い、ミルズの応用可能性を探求していく。
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Research Products
(6 results)