2014 Fiscal Year Annual Research Report
培養神経回路のバイオ・コンピュテーションを実現する高解像度神経インターフェース
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14J10399
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
矢田 祐一郎 東京大学, 情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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2014-04-25 – 2017-03-31
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| Keywords | 神経情報処理 / 神経インターフェース / 培養神経回路 / 微小電極アレイ / 次元削減手法 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
生物が備える情報処理機能の特徴は、効率性と頑健性を両立している点である。これは処理機構にある程度の無駄を許容し、状況に応じて多様化・選別することで実現されていると考えられる。本研究では、2次元平面上に分散培養した神経回路を対象とし、細胞レベルの分解能で計測・刺激のできるインターフェースを用いて、多様化と選択を利用した神経情報処理を明らかにすることを目標としている。
神経回路は外部から何も入力が入らない状態でも自発的に活動を行う。この自発活動では回路全体の神経細胞が同期して活動しやすいことが知られている。さらに、自発的な同期で見られる神経活動の時空間活動パターンと、外部入力に対する応答の時空間パターンが類似していることが報告されており、神経回路は自発活動を積極的に利用して外部からの情報に対処していると考えられる。
そこで、分散培養神経回路の多様化と選択を評価する対象として、自発的な神経活動同期現象の活動パターンに着目した。高密度CMOS電極アレイで計測した信号を非負性を仮定して次元削減することで、再現性ある同期活動パターンが抽出できることを示した。さらに、神経回路が幼若な段階では一部の情報から時空間パターンを再現できるほど秩序だった同期活動パターンを見せること、それが成長するにつれて多様化していくことを統計的指標で評価できることを示した。また、分散培養神経回路へ高解像度な刺激を行うためにRubi-Glutamateのレーザーアンケージングを利用した光刺激実験系を構築し、その評価を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
神経活動の多様性の評価方法の考案と評価、及び刺激実験インターフェースの構築と評価を実施することができた。また、多様性の評価方法を考案する過程で、分散培養神経回路のような一見ランダムにも見える回路網からも構造ある活動パターンが生まれ、そのバリエーションを統計的に評価すると成長に従って多様化するという結果を得た。これらは、今後の研究計画遂行に向けて有意義な結果であったと考える。
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| Strategy for Future Research Activity |
本年度の成果から、分散培養神経回路の多様化と選別を調べるための基盤を得ることができたと考えている。多様化と選択の原理を解明するためには、外部入力に対する神経活動の変化を観測する必要がある。そこで今後は外部からの刺激入力に対して、分散培養神経回路がどのように活動パターンを多様化・選別するのかを調べていく。
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