2014 Fiscal Year Annual Research Report
多重熱源を用いた地中熱空調システムの設計精度の向上に関する研究
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14J10535
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
崔 元準 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2016-03-31
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Keywords | 地中熱ヒートポンプ / 熱応答試験 / 有効熱伝導率 / 逆問題 / 地中熱交換器 / 実験外乱 |
Outline of Annual Research Achievements |
地中熱利用ヒートポンプの設計には必ず熱交換器が設置される土壌の熱物性の把握が必要であり、熱応答試験によりこの値の推定を行う。推定される土壌の熱物性値によってシステムの規模、そして費用を決まるので、推定精度は極めて大事である。しかし、実験精度に影響を及ぼすTRT装置の設定や外乱要素に関する研究が、未だ体系的に行われていない。 申請者の1年目の研究計画は、1)熱応答試験の精度に影響を及ぼす外乱に関する検討、2)熱応答試験の実用的なかつ精度の高い解析法の開発であった。申請者は次のような研究を行った。1)熱応答試験に関する数多い外乱要素に関して理論的モデルを導出し、各パラメータに関するパラメトリックスタディと感度解析を行い、外乱抑制に関する知見を広める。2)そして導いたモデルを数値モデルと結合し、外乱が混入したデータを既存の推定法で解析するときの適用範囲と限界に関して明らかにした。 1)に関する論文は現在査読中である。2)の論文はApplied Energyに掲載が確定された。この研究は既存推定法にこだわるときの問題点に関して理論的に分析し、明らかにした後、その問題点を克服する現実的であり実用的な推定法を開発するものである。開発した推定法は、従来の慣習的な解析法と比べ、外乱の影響を考慮でき、安定的な推定が可能になる長所がある。それに加え、三倍程度推定値の収束が早いことを確認した。本解析法の適用により、熱応答試験の時間短縮と費用削減のみならず、地中熱利用ヒートポンプの設計精度が高まることが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1年目の主な計画は、1)熱応答試験の精度に影響を及ぼす外乱に関する検討、2)熱応答試験の実用的なかつ精度の高い解析法の開発、そして3)光ファイバーなどの新しいセンサーを使った測定であった。この内、3)の項目に関しては、研究の流れ上、別の設備や研究予算の投入が必要であるので、1)と2)の項目に関してより体系的な研究を行うとこにした。上記の研究は殆ど完成段階であり、2年目の計画であった建物シミュレーションモデル、システム制御モデル、地中熱交換器の数値解析モデルの作成および練成、そしてその検証を行っている最中である。計画書に書いていない研究主題に関する追加研究を計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
今まで行った研究をまとめ、雑誌に投稿する予定である。そして、予想より研究の進捗が早いため、既存の計画より研究主題を拡張し、研究を進めていく予定である。考えている主題としては、地中熱交換器の性能を高めるための最適形状に関する研究、そして新しい熱応答試験法に関する研究がある。
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Research Products
(4 results)