2014 Fiscal Year Annual Research Report
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14J10546
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
池田 功毅 中京大学, 心理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2014-04-25 – 2017-03-31
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Keywords | 注意 / ERP |
Outline of Annual Research Achievements |
視覚探索課題における注意セットを的確に測定するための実験パラダイムを確定するため、予備的な行動実験を二種行った。 第一の実験では、Folk et al. (1992) の古典的パラダイムを元として、参加者が色を手掛かりとした視覚探索課題を行う際、探索アレイ提示直前に色プローブ刺激を提示、ターゲット色とプローブ色の一致・不一致と、プローブ提示位置とターゲット提示位置の一致・不一致の双方を操作することにより、どのような注意セットが用いられているかを検討した。さらに新奇性として、課題がターゲット文字の識別である場合と、単純な探知である場合とを比較した。結果、まず予測通り、プローブがターゲットと同色で同位置に提示された場合には反応時間が短くなるが、同色で別位置に提示された場合には反応が遅くなり、異なる色のプローブが用いられた場合との間に相互作用が見られた。さらに、単純探知課題では、ターゲットと同色のプローブが直前に提示された場合、異なる色のプローブの条件と比較して、ターゲットが提示されなかった場合に誤ってターゲットが提示されたと回答する誤答(type I error)が増大することが分かった。 第二の予備実験では、フランカー課題における注意セット測定を目的とした実験パラダイムの検討を行った。古典的な刺激配置に加え、、ターゲット刺激、あるいは妨害刺激のいずれかが左右いずれかの視野に配置されたデザインにおいて、ターゲットと妨害刺激の一致・不一致の効果を検証した。結果、古典的デザインと、ターゲット刺激が左右視野に提示された場合には予測された効果が観測されたものの、妨害刺激が左右視野に提示された場合には観察されなかった。これらの結果をもとにデザインを改善し、脳波測定に臨む予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脳波測定機材のセッティングを行い、測定テストを行ったところ、電源由来の 60 Hz ハムノイズの混入が確認され、その原因の特定に時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
脳波測定でのハムノイズ混入問題に関しては、検討の結果、データ記録と刺激提示用PCに由来するものであることが判明し、その対策を行った。現在さらに基礎的なデータを測定し、測定精度の向上を図っている。この問題が解決したため、本年度以降は当初の研究計画を順調に推進できると思われる。
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